最高裁判例変更前に審判が確定した遺産分割における預貯金の取り扱いおよび遡及・修正について

平成H28年12月19日、最高裁は裁判官の全員一致で「預貯金も遺産分割のの対象にする」との判例変更を行いました。
その判決文の中では

　　（３）以上説示するところに従い、・・・その他上記見解と異なる
　　　　　当裁判所の判例は、いずれも変更すべきである。

として、この判例変更が過去の判断に遡及適用されることを明示しています。
この点は、類似する判例変更として比較される「婚外子相続分に関する判例変更」と大きく異なっています。

そこで、この「預貯金も遺産分割の対象とする」との判例変更が為される以前に行われた遺産分割審判で預貯金を遺産分割の対象に含めないまま審判が確定した場合についてお尋ねします。
特に、審判が預貯金を遺産分割の対象から除外して下されたことに対する不服申し立てとして最高裁まで争ったような場合、上記の（３）に従えば、この判例は変更されることになる、と考えられます。
即ち、上記の「遡及」によって、この最高裁判例変更が為される以前に確定した遺産分割審判結果を変更することができるのではないか、と思うのですが、いかがでしょうか？
仮に最高裁まで争ってはいなくても、同様に預貯金を遺産分割の対象から除外して為された審判結果が変更され、預貯金を遺産分割の対象とした上で改めて遺産分割を行うことが可能である、と捉えて良いでしょうか？