子供に相続放棄をさせたい

相続放棄は相続開始を知った時から３か月以内に行う必要があり（民法９１５条１項）、３か月以内に相続放棄しない場合には、原則として負債も含めて全て相続するものとみなされます（民法９２１条２号）。
本件では固定資産税の請求書が届いているとのことですが、①山奥の土地など現実の市場価値が見込めず、その他曾祖母の方に相続財産がないことが明らかであるか、②資産価値があったとしても相続する意思がない等の場合であれば、曾祖母の方の死去後３か月以内に相続放棄の手続を行なう必要があります。相続人が未成年者の場合には、法定代理人である母親が手続を行なう必要があります。
もっとも、不動産にある程度価値が見込まれる場合には、例えば他の相続人から代償金として相当額の金員を受け取るとの内容で遺産分割を行なう方法も考えられます。
したがって、遺産分割協議は難航するかと思いますが、相続放棄すべきか否かは、曾祖母の方の相続財産総額も踏まえ、慎重に検討する必要があります。

相続放棄は自分のために相続が開始されたことを知ってから３カ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。

遺産分割協議の中で、自分は何も貰わないから相続放棄をしたという方がいますが、この場合は法律的な意味での相続放棄ではありませんので、ご注意ください。

さて、相続放棄する場合、一切の財産を相続することができなくなります。

今回の場合、固定資産税の請求書が来るのが嫌で相続放棄をしたいと思われるのですが、この場合、当然税金より固定資産の価値の方が高いので、相続放棄を考える場合には、相続放棄をした方が得なのか、相続放棄をしない方が得なのか、よく考えてから判断した方が良いです。

なお、相続人数人が遺産分割に応じなくてお困りのようですが、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立ててみてはいかがでしょうか。