ＭＭＳＥテスト１２点は遺言能力があるか？

１．ＭＭＳＥテスト（主として長谷川式）に関しては、一般論としては２１点以下の場合には認知症の疑いありとされているようです。ただ、ＭＭＳＥテストだけで決まるわけではなく、医師の診断等が必要となります。
本件では、１２点とかなり低い点数ですので、補充の立証を行なった上で、遺言書の効力を争うことは可能かと思います。

２．仮に遺言書が有効な場合であっても、法定相続分の１/２相当額の遺留分減殺請求は可能です。ただし、①仮にご相談者様に多額の生前贈与がなされ、特別受益に該当する場合（民法９０３条）には、相続時に生前贈与分を相続財産に戻す必要があります、②もし遺言書の破棄・隠匿等を行なった場合には、相続欠格事由に該当し、相続権自体を失う可能性があります（民法８９１条）、③仮に将来の民法改正により、遺留分が縮小された場合には、１/２から減額される可能性もないとは言えません。

３．本件では、上記遺言の無効確認訴訟の提起が必要となる可能性が高く、弁護士に依頼をされた方が良いでしょう。
　なお、昨日、預貯金について遺産分割対象とする旨の最高裁大法廷決定が出されましたので、今後は遺言で指定しない限り、預貯金も遺産分割対象となります。

アンさん

こんにちは。
MMSEテストは，認知症かどうかを簡易に振り分けるテストであり，
点数だけで，どの程度認知症が進行しているかが厳密にわかるわけではない
と言われています。

とはいえ，12点というのはかなり低い数字ですので，
この遺言書が無効となる確率もそれなりに高いと言えます。

MMSEテストの結果だけでなく，お母さんの当時の状況などを総合的に判断することとなります。

質問２の遺留分減殺請求をした場合ですが，特別な事情がなければ，遺留分は満額もらえますが，
お母さんが生きているうちに，アンさんだけがたくさん贈与を受けていたような事情があれば，減額されることもあります。具体的な事情に関わってくるので，一度，専門家に相談した方が良いと思います。