負債の総額が約2億円でマイナス5000万円になってしまっている。(150)

相談内容

2017年03月12日mariko さん

相続放棄

負債の総額が約2億円でマイナス5000万円になってしまっている。

亡くなったのは、義父。
義母は既に亡くなっており、法定相続人は長女・長男・二女の3人。自身は長男の妻。

義理の父は、預貯金の他に不動産を複数所有。
そのうち、5年前に賃貸用のアパートを3棟建てており、長男が連帯保証人になっている。
不動産の価額の総額は1.5億円ほどだが、現時点では負債が大きく上回っており負債の総額が約2億円でマイナス5000万円になってしまっている。
長男は連帯保証人でもあるため、相続する予定だが、長女と二女は、現金だけ分けるように言われてしまっている。
そんなこと可能なのでしょうか？

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弁護士からの回答

相続放棄をしなければ、債務も承継します。

本件について相続放棄を行わない場合、負債についても法定相続分に応じて承継します。ただし、長男の方の保証債務のうち１／３は混同により消滅し（民法520条）、保証債務は残りの２／３が対象となります。
もし、現金を分割するなど相続財産の処分行為を行なうと、法定単純承認に当たり（民法921条1号本文）、相続放棄はできなくなります。
相続財産の限度でのみ債務を承継する限定承認という方法もありますが（民法922条）、その限度では債務は存続します。また、相続財産の処分行為を行なった場合、限定承認も認められません。
ただし、長女の方と二女の方が相続放棄を行なった後、お兄様のポケットマネーから贈与を受けることは妨げられません。振込の場合は、お兄様名義の口座から送金頂く必要があるでしょう。