痴呆症を患い意思判断に問題のある母の件

後見人を付せば、報告が裁判所にされますのでその内容を確認は可能です。
また、亡くなってからにはなりますが、現在の母親の精神状態の証拠を確保しておき、亡くなってから、これまでの銀行履歴の開示をしてもらい相続に当たっての返還しての計算は主張してみれます。

お母様が認知症とのことですので、まずは関連資料を付した上で家庭裁判所に成年後見申立てを行なう方法が考えられます。
その上で、成年後見人からの財産状況報告を踏まえ、疑義のある支出については成年後見人に支出の正当性について調査を依頼する方法が考えられます。お母様の老人ホーム入居費用等の合理的理由があれば通常は正当性があると思いますが、お姉様やお兄様が単に自身の利益のためにお母様の預金等を引出した場合には、成年後見人に返還請求を依頼する方法が考えられます。
もっとも、不当性の立証や、ご兄弟間のトラブル深刻化等の問題もありますので、現実に詳細な調査や返還請求を行なうか否かは成年後見人の判断になります。また、専門職後見人は月数万円程度の通常報酬が発生するほか、個別の業務ごとに家庭裁判所の決定により報酬が付与されますので、費用対効果を踏まえて検討する必要があります。
お母様の存命中に返還請求を行なわない場合でも、お姉様やお兄様がお母様の財産から利益を得ている場合には、特別受益として相続時に精算を行なう余地はあります。