協議がまとまらない

①不動産に関しては、「法定相続人全員の共有」への変更登記は可能ですが、当事者間で共有物分割に関する合意がない以上、「特定の相続人による単独所有」に変更することはできません。
遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割調停申立てが必要になる可能性があります。
まずは、相手方が拒否している理由について、金銭的な問題か、それ以外の問題かを踏まえ、問題点を解決した上での合意形成を図る必要があるでしょう。
②当該引出が正当な理由のない引出であれば、お母様から管理者に対する「不当利得返還請求権」が発生し、法定相続分に応じて分割相続されます（管理者が法定相続人の場合、管理者の法定相続分相当額は混同により消滅します）。
ただこの場合、「正当な理由のない引出であること」を貴殿ら法定相続人において立証する必要があります。
相手方は貸金返済と主張しているようですが、そもそもの貸付けに該当するとされる金銭の流れについて、まず相手方に根拠資料の提出を求めてはいかがでしょうか。