姉たちとの遺産の分割について

貴殿相続予定の不動産が生前に売却されたとなると、遺言と「抵触する部分」については、撤回したものとみなされます（民法１０２３条１項・２項）。
本件で単純に解釈すれば、貴殿への不動産の相続は撤回し、当該不動産売却代金を含む預貯金等について遺言通り分割する、と解釈する余地もあります。この場合でも、不動産価格が大きく、上記帰結によっては貴殿の遺留分（法定相続分の１／２）を侵害する場合には、遺留分減殺請求は可能でしょう。
もっとも、そもそもの遺言の趣旨が、簡便な分割方法を定めつつ各相続人間の公平を期する点にあるならば、不動産売却理由や経緯にもよりますが、遺言全体がその趣旨に抵触するとして、相続時の財産総額を基準に法定相続分に基づく分割を行う方が、被相続人の意図に合致するようにも思われます。
まずは相続人間で話し合いを行ない、まとまらない場合には遺産分割調停や審判が必要になる可能性がありますが、弁護士依頼を含めてご対応を検討頂いた方が良いかと思います。