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不動産を利用した相続対策とは?

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更新日:2020年05月19日
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人の時の流れというものは有限であり、親から子へと受け継がれていきます。遺伝子的な要素ももちろんありますが、金銭的な面でも様々な受け継ぐ要素があります。

違う言い方をすれば相続という形です。自身の築いてきた資産を継承する儀式と言っても良いかもしれません。

しかし、そうした相続でネックとなるのが税金です。

遺産などはこの税金によって大なり小なり差し引きされてしまいます。基本的には金額が大きければ大きいほど持っていかれる税金も多くなってしまいます。出来れば税金を極力抑えて、より多くの相続が出来るに越したことはありませんね。

そこで今回はオススメの相続対策をご紹介します。

それは不動産を利用した相続対策です。税金対策だけではなく、資産の運用ということにも繋がる方法なので、ぜひともご覧下さい。

何故不動産を利用するのか

まず、皆さんが疑問に思うのはどうして不動産を利用して相続対策を行うのか、ということだと思います。

よくあるイメージでは、不動産も税金の対象で維持費も掛かるという悪いイメージがあるのではないでしょうか。間違えではありませんが、正しくもないと言ったところでしょうか。

この方法の1番の旨味を言ってしまうと、相続する法的額面が減額された上、税金自体も特例で安くなるという要素にあります。

さらに簡単に例えると、何もしないと5000万円に税金が掛けられるのに対して、不動産であれば額面上は3000万円に対して税金が掛けられることになるのです。

税金が例え相続額×10%だったとしても、支払う金額が500万円と300万円で相当な節税効果が期待できますね。

こうした旨味を狙って不動産で相続対策を狙っていくのです。

不動産は相続上では、かなり優遇されている!?

それでは実際にどんなことが優遇されているのでしょうか。

まずは、なぜ税金のかかる額面が変わるのかと言うと、小規模宅地の特例という要素があるおかげなのです。

小規模宅地の特例(しょうきぼたくちのとくれい)
相続税を納付する為に住んでいる家や土地を売るなんてことも・・・
小規模宅地の特例とは、「亡くなった方の自宅内敷地を、同居の子・配偶者取得し...

この小規模宅地とは、一定の条件で使用されている土地に関しては評価額=相続額を引き下げるといったものです。

そのため、不動産がこの小規模宅地だと認められれば、5000万円の不動産が実質3000万円の額面として税率を掛けられることになります。

実際の価値が下がるわけではないので大変お得ですね。

小規模宅地に認められるケースとしては、普段から住居として利用している、アパートやマンションなどの賃貸用であるなどです。

相続する土地柄によって減額幅は変化しますが、まったく減額されないケースもありますが、最大で80%の減額を受ける事が出来ます。

対象範囲にも制限があり、平成27年以降では、最大400平米(用途による)まで対象になります。

不動産を利用するさらなる2つの利点

さて、相続税などの減税効果が見込めることはお分かりいただけたと思います。実はその他にも不動産を利用した相続対策は、2つの利点が存在します。

それは、生前と死後両方で役に立つということです。生前というのは、まさに被相続人である方が自ら実践出来る相続対策であるということです。多くの相続対策は、被相続人が死亡した後に端を発する対策がほとんどでしょう。

しかし、この方法であれば、ご自身がご健在のうちに進んで選択することが出来ます。

例えば、土地に賃貸用の物件を建てる現金を土地に変えておくという選択です。生前にあっても自身の財産をある程度自由な形で後世に残すことが出来ます。

ですが、逆を言えば、こうした手続きや工事はすぐに完了するものではありません。ある程度は事前に準備しておかなければならない方法だとも言えます。

次に死後というのは、継続的な収入が見込めるというものです。当然、目的は賃貸物件として運用していくことになります。

相続税の節税効果を発揮するのみならず、その後に運用することによって購入コストの回収も可能なのです。減税した上で不労収入にもなるというのですから、大変素晴らしい相続対策です。

しかし、1点気を付けなければならないことは、赤字になるケースも残念ながら存在するということ。下手をすれば減税した効果以上に赤字を出してしまう可能性もある訳です。そうなってしまっては元もこうもありません。

相続対策とはいえ、不動産選びには最善を尽くした上で選ぶようにしましょう。

実際に不動産を利用した相続対策

では、実際に不動産を利用した相続対策にはどの様な事例があるのでしょうか。

具体例として相続する資産が1000万円あるとしましょう。この1000万円を何もせずに相続すると30%の相続税が掛かるとします。単純に額面1000万円×0.3=300万円が税金として取られてしまいます。

次に相続対策として、不動産を利用した場合で考えてみましょう。

相続する1000万円を土地に500万円、マンション建築に500万円など、不動産へと生前に変えてしまいます。(購入)

そうすると購入した額面ではなく、固定資産税評価額という基準で額面が計算されることになるのです。この評価方式を路線価方式とも言います。

路線価方式では、自宅用でない用途、例えば、上記であれば賃貸のために土地とマンションを購入したのであれば、2~3割減の価額で評価されます。

つまり、相続をする固定資産税評価額はそれぞれ3割減である土地350万円、マンション350万円となるわけです。

合わせて700万円の額面に税金が掛かることになりますので、700万円×0.3=210万円と税金を抑える事が出来ます。

こうして同じ1000万円でも不動産を利用することによって、同等の資産であるにもかかわらず、税金の対象となる額を減らすという相続対策になるというわけです。

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相続相談弁護士ガイド 編集部

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