預金の分割ができるか

　数年前の遺産分割協議書に、不動産についてのみ協議対象としている場合（かつ、その余の財産は弟が取得すると言った包括的な条項もない場合）、預金やその他の財産は未分割ですので、協議の対象にすることは可能です。
　念のため、死亡する直前・直後の不自然な出金がないか確認をされたほうが良い場合が多いです。

お父様の亡くなられた時期に関してですが、預金と遺産分割に関する最高裁判例の変更（Ｈ28.12.19）以降の残高に関しては、弟さんの同意がなくても遺産分割対象となります。
判例変更前は、法定相続分に応じて払戻可能とされていたため、仮に同日以前に法定相続分以下の払戻がなされていた場合、分割対象とすることは困難と見込まれます。
「預金関係の諸手続は死亡後は一切していない」とのことですが、もし金融機関にお父様の死去自体を連絡していないのであれば仮にお父様名義のキャッシュカードを特定の相続人が所持して暗証番号も知っている場合、物理的には引出可能ですので、金融機関に相続発生を連絡して預金を凍結しておく必要があるでしょう。