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【弁護士監修】【アナタの保険は大丈夫?】知らないと手遅れになる?生命保険加入前に知っておくべき減税と相続の知識

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2023年06月19日
【アナタの保険は大丈夫?】知らないと手遅れになる?生命保険加入前に知っておくべき減税と相続の知識のアイキャッチ

生命保険は被保険者の死亡時に保険金を受け取ることから、相続との関わりも密接です。節税効果は相続税だけでなく、所得税や住民税にも及びますので、加入するときにはよく考えておきましょう。

受取人は相続人にすると減税される

保険料に関していうと、死亡保障がついている生命保険に加入した場合、被保険者が自分自身で契約をしておくことで自分が死亡した時の財産を減らすことにつながります。

現在、相続税の控除額が大幅に減額されたこともあり、これまでは相続税の対象外であった人にも相続税が課せられる可能性が高まっています。その点、遺産が控除額ぎりぎりの場合に保険に加入しておくことで、相続税の申告と納付を免れたというケースも存在します。

また、死亡時に受け取る保険金には、相続人を受取人として指定しておくことで有効な、死亡保険金の非課税金額が設定されています。

生命保険はすぐに受け取れる

これと本来の相続税の控除額を組み合わせることで、同じ金額の相続でも、大幅に納付額が変わったり、相続税の申告の必要がなくなる場合があります。仮に相続税を納付しなければならない場合でも、保険金はすぐに支払われますので、短期間で納付しなければならない相続税を支払う原資として重宝します。特に不動産などのすぐに現金化できない遺産が多い場合には、早めに相続税等に相当する額の保険に加入しておいた方がよいでしょう。

節税対策として生命保険を選ぶ場合には、死亡保障がしっかりしているものがお勧めです。また、年齢によって保険金が変わるタイプのものではなく、死亡保険金が一定のものであれば、将来の相続税についての計画が立てやすくなります。

契約者=被保険者(生命保険の対象になる人)にすると良い

契約内容に関しては、被相続人となる本人が契約者になっておくと保険料が損金処理できるために便利です。また、受取人が配偶者や子供になっていると、生命保険の非課税制度や相続税の基礎控除が利用でき、非課税となるケースがほとんどです。特に配偶者はさらに軽減措置がありますので、ほぼ非課税になると考えて問題ないでしょう。

所得税に関していうと、保険の契約をした本人が保険金を受け取る内容にすると、契約した人の所得としてみなされますので、所得税と住民税がかかることになります。また、配偶者が契約をして子供が受け取る形にすると、配偶者から子供へ保険金を贈与したとみなされ、贈与税が課せられることになります。

このように、税金関係だけを見ても、生命保険の加入の仕方によってかなり支払う金額に大きな差が生じることがわかります。次に、法律的な相続財産としてみた場合ですが、この場合でも単純に遺産として現金を残すケースと、保険金として残すケースでは大きな違いが生じます。

財産を渡したい人に残すことが出来る

一般的には、被相続人が死亡した時には、その遺産は相続人がそれぞれの相続持分に応じて受け取ることになります。しかし、中には遺産の内容、または被相続人に対する寄与度などに応じてより多くの金額を要求する相続人がいるケースもあり、裁判所で訴訟や調停にまでもつれ込むことも少なくありません。

このようなことが予想できる2つの方法

  • 遺言書を記載し誰に何を相続させるかを決めておく
  • 保険金として相続人に遺産を残す

という方法があります。

生命保険金は、法律上は遺産としてみなされず、指定された受取人固有の財産となります。そのため、自分の面倒を見てくれた相手や自分の死後の手続きなどを依頼したい相手などを受取人として生命保険に加入しておくと、その人にまとまった現金を渡すことができ、さらに他の相続人による遺留分減殺請求を受ける心配もありません。

遺留分:相続人なのに遺産がもらえない?

遺留分減殺請求というのは、法定相続人が訴えることで本来の相続分の二分の一を請求できる権利であり、遺言書がある場合でも有効です。その点、保険金は固有の財産として扱われますので、相続争いが生じたときでも、受取人が一人で手続きをして現金を受け取ることが可能です。

遺産分割が決まった後の他の相続人への支払いが発生した時に利用できます。現金以外の遺産があるときなど、他の相続人への支払いを保険金で賄い、すぐに現金化できない遺産をまとめて相続するという使い方もできますので、処分に時間がかかることが予想されるときなどもあると便利です。

最後に

このように、生命保険金は節税面でも、遺産争いなどに代表される法的な争いの場でも有効な手段といえます。課税されない範囲で上手に加入しておくことで、将来的に相続人が助けられる場面も多くありますので、きちんと加入しておくようにしましょう。

なお、保険会社も保険の商品自体も非常にたくさんの種類がありますので、自分の財産や将来的な保険金額、支払う保険料などでどれが適正かということは判断が付きにくい場合もあります。近年では、無料で利用できる保険の比較サイトや、専門知識を持っているフィナンシャルプランナーへの相談窓口などもありますので、これらを活用するのもよいでしょう。

相続に強い弁護士

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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