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成年後見人・特別代理人制度とは

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更新日:2024年02月12日
成年後見人・特別代理人制度とはのアイキャッチ

判断能力が不十分な相続人のために 成年後見人制度、特別代理人

相続人の判断能力が不十分である場合は、「成年後見人制度」を利用しましょう。成年後見人とは、本人に代わって財産に関する管理や法律行為を行う者を指します。
親と子供がどちらも相続人である場合は「特別代理人」が必要で、相続人でない親が代理人となれるのは、子1人のみです。

成年後見人制度とは?

認知症、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が十分でないとされる人は、自分の財産を管理したり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自身でこれらを行うのは困難です。

「成年後見人制度」は、このような判断能力が不十分な方の保護と支援を目的とする制度です。具体的には、介護サービスを受けるための契約や施設の入所契約を結んだり、預貯金・現金・不動産の管理をしたりする他、法律上の手続きなども支援者の代わりに行います。

成人後見人をつけるには?

十分な判断能力がないとされる人が相続人である場合は、成年後見人をつけなければなりません。

成年後見人をつけるには、親族などが、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に「後見開始の申立て」を行います。申し立てが認められると、裁判所が成年後見人を選任します。
選任された後見人は、本人に代わって財産の管理や法律行為を行い、遺産分割協議にも参加します。
申し立てできるのは、配偶者、4親等内の親族、本人居住地の市区村町長、検察官などです。また、一時的に判断能力を取り戻した本人も申し立ては可能です。

親族以外では、弁護士などが選任されることも

成年後見人に、特に資格は必要ありません。親族以外のケースでは、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家の就任も多くなっています。

最近では、NPOや後見人についての研修を受けた者が「市民後見人」として務めることもあります。
成年後見人候補者は申告書で希望を出すことも可能ですが、選任されるかどうかは裁判所の裁判官の判断によります。
裁判所が必要と判断すれば、後見人に対して「後見監督人」がつけられる場合もあります。

後見開始の申立て手続き

申立人:本人、配偶者、4親等内の親族、検察官など
申立先:本人の住所地の家庭裁判所

必要書類

  • 申立書類
  • 本人の住民票または戸籍附票
  • 本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 本人の診断書(判断能力確認のため )
  • 本人の成年後見登記事項証明書(成年後見等の登記がすでにされていないことの証明書)
  • 本人の健康状態が分かる資料(障害者手帳や要介護度が分かる書類等)
  • 本人の財産等に関する資料
  • 成年後見人候補者の住民票または戸籍附票

特別代理人とは?

原則として、未成年者は、単独で法律上の判断を行うことはできません。法律上の判断を行うにあたっては法定代理人が必要で、通常は親権者が代理人となります。

しかし先述したとおり、親子がともに相続人であるとき、親は未成年の子供の代理人となることはできません。遺産分割協議は共同相続人の間で遺産をどのように分割するかを話し合う場であるため、相続人の間で利害の発生・対立も起こり得るからです。

仮に、相続人である母が、同じく相続人である子の代理人となることを認めてしまうと、母が有利となるように遺産分割を決めることもできますし、子に一切の遺産を相続させないという決定も可能になります。親が子の代理人となれるのは、親が相続放棄をし、未成年の子のみが相続人となった場合のみです。

ただし、親が子の代理人となれるのは、未成年の子供1人に対してのみです。未成年の子供が複数いるときは、親が代理を務める1人以外の子には「特別代理人」が必要となります。

特別代理人に資格は必要ありませんが、通常は、特別代理人選任の申立てがなされてから、未成年者との関係や利害関係の有無などを考慮して判断されます。

特別代理人選任の申立てができるのは、親権者、利害関係のある親族などで、特別代理人には、未成年の子の叔父や叔母といった相続権のない親族の他、弁護士や司法書士などが船員選任されるケースもあります。

特別代理人選任申立て手続き

申立人:親権者、利害関係者
申立先:子の住所地の家庭裁判所

必要書類

  • 申立書類
  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 親権者または未成年者後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 特別代理人候補者の住民票または戸籍附票
  • 利益相反に関する資料(遺産分割協議案など)
  • (申立人が利害関係者の場合)利害関係を証する資料(戸籍謄本<全部事項証明書>等)

特別代理人選任の書き方はこちら⇒
成年後見に強い弁護士を探す⇒

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