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認知症の人が遺言書を作成した場合は法的効力はある?

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更新日:2024年01月29日
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被相続人に遺言書を作成してもらったものの認知症になっていた、というケースは少なくありません。

通常、遺言書がある場合は遺言の内容に沿って進められますが、認知症になっている人が書いた遺言書は効力があるのでしょうか。

本記事では、認知症の人が書いた遺言書の扱いについて解説します。

認知症の人が作成した遺言書は効力がないと判断される

結論からいうと、認知症の人が作成した遺言書は効力がないと判断されてしまいます。

理由は、遺言書は被相続人の意思のもと作成されるものだからです。

認知症になってしまった場合、たとえ本人が遺言書を書いたとしても明確な意思のもとで書かれているのかどうかは分かりません。

そのため、認知症の人が作成した遺言書には法的効力がないとみなされます。

ただし、法的効力がないと判断されるのは、遺言書を書いた時期に認知症になっていたかどうかで決まります。

効力があるかどうかは遺言書を書いた時期がポイントとなる

遺言書の効力については、遺言書を書いた時期に認知症になっていたかどうかで判断されます。

とはいえ、被相続人がいつ認知症になっていたかの判断は、一般の方には難しいところでしょう。少しおかしいのでは?と疑っても、どの程度であれば認知症と判断できるか分かりません。

また、遺言に関する明確な意思表示ができているかどうかも、判断は非常に難しいといえます。

いずれにしても、医師から認知症の診断が出された日や、家族が見ていて疑いを持った日というのが、遺言書が無効になるかどうかの基準と考えられるでしょう。

少しでも確実に遺言書を残す方法

遺言書を確実に残したいのであれば、公正証書遺言という方法がおすすめです。

被相続人が亡くなってからでは、遺言書を作成した日に認知症になっていたかどうかは誰にも判断ができません。

公正証書遺言であれば公証人が付くため、遺言書の手続きをする場合に認知症の有無を客観的に見てもらえるでしょう。

仮に、少しでも認知症の疑いがあれば、遺言書の作成をストップした方がいいと判断されます。

自筆証書遺言の場合は客観的な判断が難しくなるため、少しでも確実に遺言書を残すには公的機関を利用した方がいいといえるでしょう。

公正証書遺言も100%確実とは言えない

公正証書遺言は、少しでも確実に遺言書を残すというメリットがあります。
しかし「少しでも確実に」という言葉のとおり、100%有効になるとはいえません。

公証人といっても医師ではないため、認知症の診断が確実にできるわけではないのです。

そのため、公正証書遺言が作成できたとしても、その直後に認知症が進行していたことが分かると無効になる可能性があります。

すでに被相続人が亡くなっている場合、遺言書を作成した当時の状況を証明するのは非常に困難でしょう。

まとめ:遺言書の効力について不安があれば専門家へ相談を

遺言書の作成時に認知症が進行しているかどうかは、明確な判断が難しいもの。
もし、被相続人に対して少しでも認知症の疑いがあると感じたら、相続に詳しい弁護士に相談しておくことをおすすめします。

被相続人が認知症で遺言書が書けなくても、弁護士であれば遺言書以外の進め方についてもアドバイスをくれます。

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