遺産相続専門の弁護士検索・法律相談ポータルサイト

遺産相続の相談件数 6097

遺産相続に強い弁護士 207

遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)

3195 Views
更新日:2018年12月23日
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)のアイキャッチ

遺産分割協議とは、被相続人が亡くなり遺言が無い場合に、法律で決まっている相続人(法定相続人)が相続財産を具体的に誰にどのように分割するかを話し合うのが「遺産分割協議」と指します。

遺産分割協議には相続人全員が参加せねばならず、参加していない人が居た場合での協議に関しては無効になり、もう一度、遺産分割をやり直さないといけなくなるので注意が必要です。

すべての相続人が合意に至った場合、協議が成立されたとみなし、結果として「遺産分割協議書」を作成します。

こちらに関しては、相続人のいる数だけ作成し、全員の署名・捺印をして、各自1部ずつ保管する事になります。

遺産分割協議書に記載されている相続財産の手続きを行う際、後々必要になります。

相続で得た被相続人名義の銀行口座の解約手続き・不動産などの名義変更(所有権移転登記)の際に添付書類として必要になります。

また、争い事が後程起こらない様にするためでもありますので、遺産分割協議の際に作成をお勧めいたします。

遺産分割協議を行う流れとしては、被相続人が亡くなり、相続が開始後、限定承認や相続放棄等の手続きをしないで3ヶ月過ぎてしまうと、単純承認したことになり、被相続人の一切の権利・義務を相続人が相続分に応じて共同相続することになります。

つまり、借金・負債などあった場合にもその権利・義務を相続する事になりますので、財産の調査はしっかりとしておきましょう。

遺産分割の手続きには3つの方法があります。

➀遺言書による手続き

被相続人が遺していた遺言書の内容で分割方法の指定がある場合は、その指定に従って遺産を分割します。

分割の方法を遺言書で第三者へ委託することも可能です。

➁話し合いによる手続き

遺言書がない場合・有った際でも比率の指定がされている場合、また、遺言書から財産が抜けている・洩れている場合は、まず、相続人の間の話し合いで決定します。

相続人全員の了承があれば、必ずしも遺言書の法定相続分や指定相続分に従う必要はなく、ある人の取得分を無くするといった分割協議も有効とされています。

➂調停・審判による手続き

仮に遺産分割協議による話し合いが、まとまらない・話をすることが出来ない際は、裁判所から遺産分割を請求することが可能です。

裁判所への請求は調停または審判のどちらかを申し立てても問題は無いのですが、通常はまず調停(裁判所での話し合い)を請求し、仮に調停が成立しない際は、審判の手続きに移行します。

遺産分割の協議の時期に関しては、相続開始後であれば期限はとくに定められておらず、いつまでにしなければならないというものではありません。

被相続人が遺言書で遺産の分割を禁止していないかぎりいつでも分割を協議をすることが可能です。

※相続開始の時から5年を超えない範囲で遺産分割を禁止することができます。

しかし、時間が経ってしますと、遺産管理が まとまっていた書類・収集物などが、ばらばらになって行方がわからなってしまったり、次の代に移行し(二次相続)相続権利のある関係者が増えていくなど、複雑・煩雑になってきますの

で、なるべく早い時期に分割協議を行う事をお勧めいたします。

遺言書がある場合に遺産の分割方法の指定がされている際には、それに沿って分割をしていく事になります。

遺言書の内容にすべての相続財産の分割方法が指定されていれば問題ないのですが、分割方法の指定のない相続財産に関しては、相続人全員で遺産分割協議を行い、分割方法を決めなくてはなりません。

●遺産分割協議のやり直しは可能か?

遺産分割協議の話し合いは全員相続人による合意で成立し、成立をすれば効力が発生し、取消・無効などの理由がない限り、やり直しは原則できません。

仮に、遺産分割協議の話し合いで1人の相続人が土地・建物を取得したい、代わりに他の相続人に相応の代償金の支払いを約束していたのだが、なかなか応じてくれないといった場合でも、成立した遺産分割協議を一からやり直しをする事はできないとされており、この際は調停・訴訟で相手側を話し合う・争うなどすることになります。

●あとになって新たに遺産が出てきたという場合

新たに出てきた遺産について相続人同士話し合いをすることになります。

しかし、抜けていた・洩れていた場合に、相続財産が一部の悪意のある相続人に隠匿されたものであったり、相続財産全体の中で大部分の割合を占める場合は、遺産分割協議の無効を主張することができます。

●遺産分割をし遺言書が出てきてしまったらどうなるのか?

遺言書の存在を知らないで遺産分割の話し合いが成立したとしても、遺言書の内容に沿っていない部分は無効ということになります。

しかし、相続人全員が、遺言書よりも遺産分割するという合意が取れているようであればその合意内容が優先されます。

仮に相続人のうち1人でも異議・異論が出た際は、再度遺言書の内容に沿った分割協議の話し合いを再度する必要があります。

原則として成立した遺産分割協議に関しては解除できませんが、合意が相続人全員あればその合意内容によって成立した遺産分割協議を解除し、新たに遺産分割協議をすることができます。

遺産相続には期限があります。
相続の手続きの節目は7日、3ヶ月、4ヶ月、10ヵ月になります。
スムーズな相続手続きを行うためには全体のスケジュールを把握する事が大切で、...
遺産分割(いさんぶんかつ)
遺産分割とは、複数人相続人が存在する際に、相続人同士で遺産分配する事を指します。

例として相続する財産が、土地・建物、現金・預貯金、有価証...

遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)
遺産分割協議書とは、遺産分割協議で遺産相続人の間で合意が得られた物を書面に残すという事を指します。
法的に効力があり、合意した内容について後...
限定承認(げんていしょうにん)
相続の時に亡くなった方の財産が貯金・現金・有価証券などプラスの財産がある状態であれば、ごく普通に現金化し分割をすればいいのですが、マイナスの...
単純承認(たんじゅんしょうにん)
単純承認とは、亡くなった方の一切の財産相プラス・マイナスの財産を含むものを、すべて相続すると事を指します。

相続放棄はプラスの財産を受...

相続放棄(そうぞくほうき)
相続放棄とは、遺産相続が起きた際に相続の権利を放棄する事ができる事を指しております。
例えば、亡くなった方が多額の負債が有った場合、相続では...
二次相続(にじそうぞく)
二次相続とは、両親のどちらかが亡くなり、後に残された親が死亡した時の相続のことで、後(2番目)の相続の事を指します。
どちらか先に死亡した時...
遺産分割に強い弁護士相談
【お急ぎの方】電話・メールで遺産分割の相談出来る弁護士はこちら
※弁護士によって、相談料が無料・有料と異なりますので、ご相談前にご確認をお...

この記事の著者

相続相談弁護士ガイド 編集部の画像

相続相談弁護士ガイド 編集部

相続問題に関することを専門家と連携しながら情報発信しております。 悩んだり、わからないことがあるときは参考にしてください。 どーしてもわからない場合は、一度弁護士に相談するのもいかがでしょうか。

問い合わせの多い遺産相続に強い弁護士

遺産相続に強い弁護士相談

問い合わせの多い遺産相続に強い弁護士

弁護士保険ミカタで高額な弁護士費用を補償