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相続放棄は自力でできる?手続きの方法を詳しく解説

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更新日:2024年01月29日
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相続の熟考期間中に「相続放棄」を選ぼうとする方もいるでしょう。
相続放棄と聞くと少し難しいイメージがありますが、全ての手続きを自力で行うことは可能です。

しかし、手続きにはさまざまな書類が必要で、内容も非常に複雑。少しでも不備があると、相続放棄を申請する期間に間に合わなくなる恐れもあるので慎重に進めなければなりません。

本記事では、相続放棄を自力で行うために必要な手続きと注意点を解説します。

相続放棄って何?

はじめに、相続放棄とは何か確認しておきましょう。

相続放棄とは、被相続人が持つすべての財産を放棄することを指します。
すべての財産というのは、プラスの財産もマイナスの財産(借金やローン等)も、すべてという意味です。

相続放棄をすることで、一切の財産を引き継ぐ必要がなくなります。

相続放棄は自力でできるのか?

相続放棄は自力でできますが、相続に関する知識がないとスムーズに進めることは難しいといえます。

相続放棄には準備すべき書類が多く、少しでも不備があると提出が認められない可能性があるでしょう。

また、相続放棄を完了させる期限も定められています。もし何らかの不備があって期限内に受領されなければ、すべての財産を自動的に引き継ぐことになります。

相続放棄を検討しているのであれば、早い段階から相続の知識を身につけておく必要があるでしょう。

相続放棄はどういったケースで選ぶべき?

相続放棄を検討した方がいい人もいるでしょう。
たとえば、次のようなケースです。

マイナスの財産があまりにも多いとき

被相続人に借金やローンがあり、引き継ぐことで不利益が生じる可能性がある場合は相続放棄を選んだ方がいいかもしれません。

そのまま相続してしまうと、相続人は返済義務を負うことになってしまうからです。

もし、被相続人が多額の借金やローンを抱えていると分かっている場合は、相続放棄を検討してみましょう。

相続トラブルが発生する可能性が高いとき

相続トラブルが発生する可能性が高いと判断したら、相続放棄を選択する方が無難といえるでしょう。

相続はどうしてもお金が絡んできます。それが多額であっても少額であっても、トラブルに発展する可能性はあるでしょう。

相続トラブルが一度勃発してしまうと、親族間の関係が悪くなってしまう恐れがあることも考慮しておかなければなりません。

相続放棄をしてしまえば、相続トラブルに関わらなくてもよくなるため、今後の負担軽減につながるでしょう。

相続放棄を自力でやってみる!具体的な手続き

ここからは、相続放棄を自力で行う手続きを解説します。

相続放棄を申請する期限を確認する

まず、相続放棄の申請が可能な期間を確認してください。
相続放棄の申請期限は、相続が開始してから3ヶ月以内と決まっています。

つまり、被相続人が亡くなった日が開始日です。

3ヶ月を過ぎてしまうと、相続放棄が認められなくなる可能性があるので注意してください。

その日から3ヶ月を過ぎてしまうと相続することを認めたことになるため、相続放棄が認められないことになってしまいます。

3ヶ月というのは、あくまで申請期間なので申請できていれば問題ありません。早めに進めるようにしましょう。

被相続人の財産を調査しておく

相続手続き自体は、すべての相続財産を把握できていなくても可能ですが、被相続人の財産を調べておくことをおすすめします。

マイナスの財産があるかどうかを調べておくことで、相続放棄を迷っている方は選択の基準にもなるでしょう。

財産を調べる方法は、被相続人の銀行口座を調べたり、有価証券や負債についての確認があります。他にも、個人間でお金の貸し借りをしているケースもあるので、被相続人が親しくしている人に問い合わせてみるのもおすすめです。

相続放棄にかかる手数料を確認する

相続放棄にかかる手数料を把握しておきましょう。

相続放棄を自力で行う場合の手数料は、相続人1人につき3,000円程度です。

数千円で手続きはできますが、時間と労力を考えると専門家へ一任した方が不備なくスムーズにできるというメリットがあります。どちらを選ぶかは、ご自身の状況に応じて選んでみてください。

相続放棄に関する書類を集める

相続放棄には、次のような書類が必要になります。

書類の種類は、被相続人との関係性に応じて異なるので確認しておきましょう。

被相続人との関係 配偶者・子 父母・祖父母 兄弟姉妹・甥姪
相続放棄申述書
被相続人の住民票除票
相続放棄を行う人の戸籍謄本
被相続人の死亡記載が記載された戸籍謄本 - -
被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本 - -
被相続人の子の死亡記載のある戸籍謄本 - - -
被相続人の子・孫が亡くなっている場合は、その子・孫の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本 - -
被相続人の父・母の死亡が記載された戸籍謄本 - - ◯(祖父母の場合)
兄弟姉妹の死亡が記載された戸籍謄本 - - - ◯(甥姪の場合)

戸籍謄本は、各市区町村の役場で取得できます。

相続放棄の書類を家庭裁判所へ提出

書類を準備できたら、被相続人が生前住んでいた地域の家庭裁判所へ提出しましょう。
このとき、直接持ち込んでも郵送してもどちらでも構いません。

家庭裁判所へ提出した後、相続放棄の照会書が届きます。その照会書に必要事項を記入して返送します。

返送後、10日程度で相続放棄を受理したことを示す通知書が届きます。
通知書が届けば、無事に相続放棄が完了したことを表します。

相続放棄の手続きに関する注意事項

相続放棄を自力で行う際は、いくつか注意すべき点があります。

相続放棄の取り消しは不可

相続放棄を一度完了させると、取り消しはできなくなります。

相続放棄の手続き期間内であっても「やっぱり取り消したい」というのは認められないので、注意が必要です。

書類に一箇所でも不備があると受領されない

相続放棄の書類に、一箇所でも不備があると受理されません。
受理されなかった場合は再度提出することになりますが、3ヶ月という短い期間の中で行う必要があるので、早期に進めるようにしましょう。

もし、申請期間を過ぎてしまうとすべての財産を自動的に引き継ぐことになります。
マイナスの財産がある場合は、特に注意が必要です。

相続放棄ができないケースも確認しておく

相続放棄は、すべてのケースで認められるわけではありません。

以下のようなケースは、認められないので注意してください。

  • 被相続人の財産を売却・処分した場合
  • 被相続人の財産を使い込んでしまった場合文字
  • 被相続人の財産を隠した場合

上記を行うと、相続人は「相続を選んだ」と判断されるため(単純承認)、相続放棄が認められません。

まとめ:相続放棄を確実に進めるのであれば弁護士への相談も視野に

自力で行うことができる相続放棄ですが、3ヶ月以内に申請するには相続の知識が必要になります。

また、相続放棄が受理されると撤回ができないので、本当に放棄すべきか慎重に考える必要があります。

少しでも不安があるのであれば、相続に詳しい弁護士に相談しておくことをおすすめします。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

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