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九段下でパパ弁護士と公言している先生に会いに行ってみた

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更新日:2019年07月26日
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イクメン・カジメンという言葉は皆さんも耳にした事があるのではないでしょうか?

イクメンとは、子育てする男性(メンズ)の略語であり、積極的に子育てを楽しむ男性を指し、カジメンとは 家事を積極的に行う男性の略語だそうです。

男性が積極的に育児・家事に積極的に参加し、略語も色々とできている中、3人のお子さんを育て、自身でもパパ弁護士と公言する九段総合法律事務所の澤田 雄高弁護士にお時間を頂きました。

九段坂総合法律事務所は、名前のとおり、九段下に事務所を構えている事務所です。

九段下は、半蔵門線・都営新宿線・東西線の3路線が交差する駅で、10分歩くと水道橋・飯田橋・市ヶ谷・神保町なども歩いて行ける、好立地な駅です。

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※ファミリーマートが目印

そんな家事と育児に奮闘しながらも弁護士業務を兼務する先生にお時間を頂いた。

-法律事務所の理念

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人としてのあり方のモットーとして、六然訓(りくぜんくん)を額装して掲げております。

所長の秋廣弁護士が、弁護士になる際にお世話になった方から頂いた言葉で、勝海舟や安岡正篤らも深く学んできたもので、自処超然・処人藹然・有事斬然・無事澄然・得意澹然・失意泰然という6つの訓から成り立っております。

要約すると以下、六然訓をモットーに弁護士として大切に日々の業務を行っております。

人間何が悩みかというと、自分が自分を知らざることである、人を論じたり世を論じたりするのはやさしいが自分を論じ自分を知るということは実はこれが一番大事であるにかかわらず、なかなか難しいことである。

人間はまず自分を責むべきであって、世の中や時代を責むべきでない。

世の中が悪い、時代が悪いというのならば、そういう時勢に対して、自分はどれだけ役にたつのか!

それをどう解釈し、それに対してどういう信念と情熱を持っているのか、よく自分を責めるがよい

-九段坂総合法律事務所の設立の由来

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九段坂総合法律事務所は、平成26年10月に設立した法律事務所です。

私が勤めていた六番町総合法律事務所と増村総合法律事務所が合併し、九段下へ移転し九段坂総合法律事務所として設立しました。

六番町総合法律事務所は、秋廣道郎弁護士平成13年10月に千代田区の六番町で開設した事務所で、私は平成20年に加入しました。

私は今年で弁護士歴8年目です。

-どうして両事務所が一緒になったのでしょうか?

元々、六番町総合法律事務所で勤めていた弁護士が裁判官となり、事務所を退所しました。

その弁護士が推挙したのが増村弁護士でした。そのような経緯があり、一緒に事務所を立ち上げようということとなりました。

-九段下で設立することになった経緯や苦労などあれば教えてください

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六番町総合法律事務所の最寄駅は四谷、増村総合法律事務所は人形町でした。

事務所を移転することで依頼者が移転前より不便になることは避けようと思っていました。

新しい事務所の場所はなかなか決まらずいくつも物件を探しましたが、九段下で駅前の大通り沿いの良い物件が見つかり、ここにしようということとなりました。地下鉄が3路線あり、また,駅から近く、大通りに面しているので、わかりやすくて便利と依頼者からは評判です。

-事務所の事案はどういったものが多いでしょうか?

当事務所は、私含めて、弁護士6人と事務員5人で事案の対応をさせていただいております。

増村弁護士は、交通事故(保険会社側)の事件や、消費者事件、刑事事件などが多いです。

秋廣弁護士は、これまでの幅広い人脈に基づき、会社の事件や個人の事件まで幅広く扱っています。

定年退職後、事務所に合流した雛形弁護士は、裁判官としての経験だけでなく、行政官としての経験も豊富なので、豊富な経験に基づく助言をいただいています。

新藤先生は、裁判官や弁護士が最も参考にする交通事故の本(裁判所と弁護士で協議して作成する本です)の編集長を務めるくらい交通事故に習熟した先生で、現在は、非常勤裁判官として、主に建築紛争に従事しています。

事案の構成比率は、法人80%、個人20%くらいです。企業法務、建築紛争、交通事故、離婚、相続、刑事など幅広く事案の相談を頂いております。

当事務所はおおむね所属弁護士の友人・知人からの紹介の事案を取り扱っていますので、様々な相談が来ます。

以前に依頼者だった方が、新たなご依頼者を連れてくることもよくあります。

良い仕事、良い解決をすると、依頼者が次の方を紹介してくれますし、他方、ご満足いただけない場合は、その方のまわりに困っている方がいても、紹介してもらえなくなってしまいます(苦笑)

ですので、目の前の依頼者の方にご満足いただくことにより、その方々が当事務所の営業マンになっていただく、そういった営業マンを増やしていくことが私達の責務でもあったりします。

-増えてきている相談・背景などあれば教えてください

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離婚・相続などの相談は増えてきており、ちょっと気になったら弁護士に相談してみようという意識が広がってきているのかな?と感じております。

インターネットを使い、簡単に調べられるようになり、自身の該当する問題が記事になっていたり、友人・知人の方に相談している際も情報を持っていたり、触れていたりするので、「弁護士に相談した方が良いんじゃない?」など後押しをしたりするということもあったりすると思います。

昔と異なり、今は、各種SNS・掲示板・専門サイトなどから情報を取得できる時代となっており、依頼者の権利意識が高まってきたのかな?と思っております。

-8年間の弁護士経験から心に残っている、相続の事案などありますでしょうか?

ある兄弟の遺留分の事件がありました。

亡くなった方(被相続人)はビルを所有し、折に触れ,長男に渡したいといっていましたが,ご長男が被相続人よりも先に亡くなってしまいました。

長男にはお子さんがいましたが,お孫さんに財産を残したいと思う被相続人と,孫ではなく子である自分が財産をもらうべきだという次男の思惑が交差し、被相続人が亡くなったときには,次男にすべての財産を譲るという公正証書遺言が作られていました。

次男の方は、自分の意に沿った遺言なので,この内容に沿って相続手続を進めようとし,お孫さんの方はこれでは到底納得できないということで,私のところに依頼に来ました。

シンプルな事案ではありましたが、感情の対立がかなりある事案で、依頼に来た当時、依頼者はかなり精神的に疲弊しているところがあり、また、これまで私がお世話になっていた方でもあったので、何とか良い解決ができればいいなと思い、当事件を担当しました。結果としては、こちらの主張がほぼ認められる形での解決ができ、依頼者にも大変満足していただくことができました。

これまでお世話になった方の問題を解決に導くことができた、少しでも恩返しができた、という意味で、印象深い事件です。

解決までに非常に時間がかかった事案なども印象に残っております。

1つの事案で11年争ったという事案もありました。秋廣弁護士が当初担当し、私も途中から加わりました。介護をめぐる紛争から、遺言書をめぐる紛争、遺産分割調停など複数の紛争が続きました。

家族という関係は、裁判後も続くので、双方がどこかで折り合いをつけないと、喧嘩をしながら、家族という関係を続けることとなります。

ですので、相続の案件は、弁護士としても、目先の裁判だけでなく、裁判後に新たな紛争が生じないような解決を考えなければならず、難しい事件が多いですが、本件は、一度生じた感情的なこじれがなかなか解消できず、非常に苦労した印象があります。

-弁護士資格の取得に至る経緯

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親が裁判官をやっていたというのが大きいかもしれません。

他の人たちに比べると法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)に関して本を読んだり、話を聞いたりと身近な存在だったのかな?と思っております。

裁判官を目指すということも考えましたが、弁護士という職業の方により魅力を感じました。

もともと他の人に頼まれて、その人のために一生懸命頑張るという性格なので、中立的な立場で法の解釈適用を考える裁判官よりも、依頼者の悩み・困りごとを聞き、一緒に解決の道を探っていくという弁護士の立場の方が自分に合うんじゃないかと思ったのです。

人によって、何をすべきか(what to do)を考えるのが好きな方と、いかにすべきか(how to do)を考えるのが好きな方がいると思います。弁護士の場合,依頼者が前者を考え、弁護士が後者を考えることとなります。

私は、いかにすべきか(how to do)を考えるのが好きなので、この立ち位置が非常にマッチしており、弁護士という職業は天職かもしれません(笑)

-パパ弁護士と公言されておりますが、何か両立が大変な事ありますでしょうか?

もう本当に大変です・・・・(笑)

妻も働いていますが、妻の仕事が忙しい時期は、始発で仕事に向かい、終電で帰ってくるので、家では寝るだけという時期がありました。

私は、ある程度、スケジュールを自分で組み立てることができるので、子どもの送り迎えの時間は仕事を外したり、夜の打ち合わせをなくしたり、子供が寝てから仕事をしたり、いろいろな工夫をしながら子育てをしていました。

妻の育休中は、妻に甘えているところがありましたが、妻が忙しく,自分しか子育てできる人がいないという状況に追い込まれ、世のママ、とりわけ働きながら育児をする女性は本当に大変だなと改めて思うようになりました。

パパはそんなママにもっと感謝すべきだと思ったりしております。(笑)

現在は、保育園に子ども2人預けて事務所に向かい、帰りもなるべく帰り道にピックアップして子どもと一緒に帰宅するようにしています。

子育てしながら弁護士業務を行うので、私は他の弁護士よりも時間がありません。

ですので、日々、効率的に仕事をし、いかに早く、いかに依頼者が満足する形で紛争解決ができるかを考えています。

弱音を吐くようではないですが、休む時間が欲しいですね・・・・

-弁護士業務で大切にされている事

上記でも触れましたが、依頼者は困りごとを抱えて相談に来ますので、なんとか早く解決できないかと思っています。

また、依頼者の納得、理解というのが大切なので、極力分かりやすく説明することを大切にしております。

家事事件の紛争は調停で解決を図ることが多いですが、調停委員とともに事案の解決を図るという姿勢を持つことを心がけています。

こちらが、自分の利益のみ声高に主張するのではなく、その事案について真摯に解決に向けて努力している姿勢を示していくと、調停委員と協同してスピーディーに解決に向かうことができ、結果として、依頼者の満足も最大化することができます。

-相談者・依頼者に言われて嬉しかった事

依頼者の方から子供用のお洋服をもらったことがありました。

子どももすごく喜んでいましたし、私も、その依頼者の気持ちが伝わり、本当に嬉しかったです。

-逆に言われて悲しかったこと

依頼者に厳しいことを言われたことはなく、言われて悲しかったというエピソードも特にありません。裁判官にこちらの主張が伝わらず、悔しく思ったことはあります。

-この頃の取り扱いで多い事案に関して

亡くなった方の相続人より、その配偶者・お子さんからの質問やご相談が多くなった気がします。

たとえば、夫の父が亡くなったが、夫は動こうとしないがどうなんだろうか?夫から,夫の父が亡くなった後遺言が見つかったと聞いたけれど,夫は遺言の内容をよくわかっていない様子で,このままでいいのかなどです。

この場合、ご本人であるご主人が決めるべき事柄ではありますが、気になるようであればまずは弁護士に相談する、相談した後でご主人と話をする、あるいは、一度弁護士と話をした後、ご主人を連れて道祖土弁護士と話をする、というのも、有効な対応ではないかと思っています。

-これから相続の事案に関してはどういった動向などが予想されますでしょうか?

最近、続けて子供が居ない高齢者の方の相続事案を受任しました。

子供がいない、あるいは子どもが先に亡くなっている,というケースもこれから増えてくるかもしれないな?と思っています。

子供がいない場合、亡くなった方のご両親に相続権が移りますが、亡くなった方が高齢ですと,そのご両親もほぼほぼ亡くなっています。

ご両親が亡くなっていると、相続権は兄弟に移りますが、兄弟も亡くなっていて、兄弟のお子さん(亡くなった方から見て甥っ子・姪っ子)に相続権が移っているということも珍しくありません。

この場合、相続人が多くなりがちで、また、相続人間の関係が希薄で、お住まいもバラバラということもよくあります。

近しい関係ではない人たちが遺産を分けるというのはなかなか難しく(誰が取り仕切るのか)、遠方の人が多いとどこに集まるのか、という問題もあり、大きな紛争になっていなくても、解決に時間がかかることもあります。

これからそういった事案も増えてくるのではないでしょうか?

他方、子供が多ければ紛争にならないのかというとそうでもありません。

配偶者を中心に話がスムーズに行くケースもありますが、兄弟げんかが勃発することもしばしばあります。

介護と相続という問題もあります、何年も要介護状態が続いた後に亡くなった場合、介護をした者と、介護をしていない者との間で紛争が起きることがあります。

介護した者は、献身的に介護したんだから財産を多くもらいたい、あるいは、全部もらいたいと思いがちですが、それはそれ、これはこれとして平等な分配を主張する相続人がいることもあります。

親御さんの残す遺言、メッセージがかえって兄弟の仲を割くこともあるのです。

-相談に来られる方に依頼者の方にメッセージをお願いいたします

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特に相続の問題や離婚の問題は法律の問題と家庭の問題があり、近しい関係での紛争になるので、ご自身で解決しようとするとお金がかかるだけでなく、精神的に苦しくなることがあります。

近しい関係であるがゆえに、他の人になかなか相談しにくいということもあると思います、お金の話がからんでくるので相談しにくいという面もあります。

弁護士に依頼するということは、高度な守秘義務が課された専門家がそういった負担をすべて引き受けるということであり、遠慮なく相談することもできますし、自分では言いにくいことも弁護士に代わりに言ってもらうことができます。

そのため、いろいろな悩みから解放され、精神的にとても楽になります。

弁護士は、どんなことに悩んでいて、どんな解決を希望するのか、ご相談者のお話をよく聞かせてもらい、もっともご相談者の利益となる解決方法を提示することができます。

目先の事柄だけでなく、長期的な視点に立った助言もできます。

どんなことを悩んでいるのか、どんな解決を希望しているのかを是非ともお聞かせください、必ずお役に立てると思います。

-インタビューを終えて

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最後まで冷静な印象があった先生でした。

しかし、物事を客観的に捉え、何が最適なのか?時には攻めて考え全力を尽くすといった印象でした。

家事・育児をやっていて、通常の弁護士よりも時間が限られているので、短時間で良い成果をあげられるよう何か工夫できないか常に考えている,と話されていること特に強く印象に残りました。

それほどパパ弁護士の部分に触れることは多くありませんでしたが、お子様の送り迎えをしっかりとなさって、仕事と育児を両立しており、多くを語らずともひしひしとパパ弁護士なんだなと感じました。

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澤田 雄高 (第二東京弁護士会所属 / 九段坂総合法律事務所)

悩んだ際は、まずはご相談を。相談者様のゴールを目標とし、一緒に歩いて行こうと思います。

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相続相談弁護士ガイド 編集部

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