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相続争いを弁護士に依頼するといくらかかる?相談すべきケースと弁護士費用を解説

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更新日:2024年01月29日
相続争いを弁護士に依頼するといくらかかる?相談すべきケースと弁護士費用を解説のアイキャッチ

相続を巡る遺産争いや話し合いのもつれなど、相続に関するお悩みは尽きませんよね。
実際のところ、家庭裁判所に寄せられた相続に関する相談内容を見ても、相続関係のトラブルが寄せられています。

本記事では、相続争いや遺産分割を弁護士に依頼する費用相場やトラブル事例を紹介します。

相続トラブルは身近な問題!

相続トラブルは、富裕層の人だけではなく一般家庭においても非常に身近なものです。

特に、一般的な家庭で多い相続トラブルには、遺産分割や割合で争うケースが多く見られます。相続争いの約80%は、遺産5,000万円以下の一般家庭で起きているのです。

「うちはみんな大人しいから争いなんて起こらないよ?」という油断は禁物です。
遺産分割となると、大きなお金が関わるもの。普段争いの少ない家庭でも騒動に発展するケースは少なくありません。

いざ相続トラブルが発生すると、普段しない話し合いや慣れない手続きが重なりトラブルが長期化する恐れもあります。
こうしたトラブルを解決する助けとなるのが、弁護士や税理士などの専門家の存在です。

ただ、どのケースを誰に相談すればいいのか分からない方も多いでしょう。
次の章からは、専門家それぞれの特徴や役割の違いを解説しますね。

相続トラブルは誰に相談すべき?専門家の役割を知って決めてみよう

弁護士や税理士、誰に相談すべきか考えるために、それぞれが取り扱える業務を見ていきましょう。

  • 弁護士:相続に関する調査や証明書の収集/遺産分割協議書の手続き/代理人としての交渉/登記/税の申告
  • 税理士:相続に関する調査や証明書の収集/遺産分割協議書の手続き/登記
  • 司法書士:相続に関する調査や証明書の収集/遺産分割協議書の手続き/税の申告
  • 行政書士:相続に関する調査や証明書の収集/遺産分割協議書の手続

それぞれできる範囲が異なることが分かります。ではもう少し詳しく、それぞれの業務範囲を見ていきましょう。

相続トラブルは誰に相談すべき?専門家の業務範囲

弁護士

弁護士は、相続に関する調査や必要書類の収集だけでなく、代理人としての交渉や相続税の申告まであらゆる業務を一任できます。

弁護士であれば、親族間での争いや相続人同士の話し合いなど、どのようなケースにおいても相談が可能です。

また、弁護士は法律のプロです。
相続となると法律の専門知識を要することが多いでしょう。法的観点に基づいたアドバイスを得られるため、弁護士への相談はトラブル解決への確実な方法といえます。

相談者が有利な立場になるよう進めてくれるというメリットもあります。特に親族間になると、主張が感情的になりがち。弁護士であれば、相談者の主張を守り冷静な判断で進めてくれるでしょう。

司法書士

続いて、登記手続きのプロ・司法書士です。

司法書士は土地や建物の登記手続きのスペシャリストなので、持ち家を財産としたトラブルの強い味方になってくれるでしょう。

たとえば、被相続人の家や土地を引き継ぐことになった場合は、登記変更の手続きが必要です。司法書士であれば、提出する登記手続きの書類作成や、相続放棄をする際のサポートをしてくれます。

税理士

税金についての困りごとは、税理士の出番です。
相続に関する税金といえば、相続税や贈与税が挙げられるでしょう。

税金にはさまざまな種類があり、財産の譲り方によってかかる税金が変わってくるものです。トラブルになる前に税理士に相談しておくことで、節税対策のアドバイスをくれるでしょう。

行政書士

行政機関のプロといえば、行政書士です。
行政書士は、トラブルに発展していないものの、ややこしい手続きを代理で行ってくれる心強い存在。比較的リーズナブルで請け負ってくれるため、安心して頼れるでしょう。

「仕事が忙しくてなかなか手続きに行けない」
「手続き自体が億劫…」
そのような方は、行政書士に依頼するといいかもしれません。

あらゆる相続トラブルを一任できる弁護士に頼りたい!どういったケースで可能?

ここまでの流れでいうと、弁護士のみが唯一すべての業務を一任できることが分かりました。具体的にどういったケースで弁護士に相談できるのか見ていきましょう。

遺産分割で争っている

相続人同士で遺産分割の方法がまとまらない場合は、弁護士に相談するといいでしょう。
遺言書のない遺産だと、残された相続人で遺産をどう分けるのか話し合う必要があります。

しかし、相続人それぞれの希望が異なると、スムーズな話し合いができません。
弁護士であれば、相談者の代理になって交渉してくれるので助かります。

相続人の誰かが弁護士がつけてきた

相続人の誰かが弁護士をつけているケースも、あなたが弁護士に相談した方がいいケースといえます。

あなたが弁護士への相談を検討しているように、他の方も同じように弁護士を雇う可能性は高いもの。交渉相手が弁護士となると、こちらも弁護士に依頼した方が不利な結果になる可能性が避けられるでしょう。

他の相続人が遺産を管理してしまった

相続人の誰かが、遺産すべてを管理してしまった場合も、弁護士に相談すべきケースです。
たとえば、被相続人と一緒に暮らしていた相続人のひとりが、相続財産を独り占めするケースがあるでしょう。

財産隠しに至る恐れもあるため、弁護士に相談してアドバイスを受けた方がいいといえます。

遺言書の内容を認めたくない

遺言書がある場合、内容によっては認めたくないものもあるでしょう。
基本的に、遺言書の内容は書いた本人の意思が尊重されます。

しかし、遺留分として相続人側が主張する権利があるのも覚えておきましょう。遺留分とは、相続人に確保された最低限度の財産のこと。

遺言書の内容に納得できないという方は、遺留分を含めて弁護士に相談することをおすすめします。

そもそも話し合いができない

相続の話し合いは、相続が始まった時点で相続人全員で話し合う必要があります。しかし、必ずしも全員で話し合えるとは限りません。

話し合えないまま放置してしまうと、相続内容や金額によっては、相続税の申告の問題につながってしまいます。
トラブルを回避するためにも、早期に弁護士を代理に話し合いの場を設けてもらいましょう。

相続財産を管理してきたはずなのに他の相続人が認めない

相続財産を増やそうと貢献してきたはずなのに、他の相続人がそれを一切考慮してくれない場合も、弁護士に相談すべきケースです。

たとえば、被相続人の介護を毎日欠かさず行い、相続金がなくなるのを防いできたとします。それにも関わらず、ほかの相続人が「そんなこと自分で進んでやったことだろ!」と、貢献度を認めないというケースもあるでしょう。

こうなってしまうと、相続人同士での話し合いは困難になってしまいます。弁護士に代理になってもらい、相談者の主張を伝えてもらうことをおすすめします。

他の相続人が優遇されてきた場合

他の相続人が優遇されてきた場合も、弁護士に相談して決めた方がいいケースです。

たとえば、あなたは実家でずっと暮らしてきて、兄弟の誰かが大学時代のアパート費用を親に出してもらっていたとします。親の財産がほとんど兄弟に使われていたにも関わらず、残りの相続財産を均等に分けるという行為は納得がいかないでしょう。

特別受益に伴うトラブルに関しては、弁護士に相談してアドバイスをもらうといいかもしれません。

相続問題を弁護士に一任するといくらかかる?

弁護士を雇う際にもっとも気になるのは弁護士費用だと思います。
基本的に弁護士費用は、「着手金」「成功報酬」「その他経費」に分けられます。

弁護士費用①着手金

着手金とは、弁護士に依頼した際に必ず支払う費用のこと。結果の成功・不成功に関係なく必要です。

相続トラブルにおける着手金は相続財産の金額によって異なりますが、大体30万円前後が相場です。

弁護士費用②成功報酬

成功報酬とは、トラブルの結果によって支払う費用のこと。得られた利益によって計算されます。成功報酬の相場は「経済的利益の何%」という形で算出されます。
仮に、完全に不利な結果になった場合は発生しません。

弁護士費用③その他経費

その他経費は、弁護士が交渉相手先や裁判所に出向く際にかかる交通費や宿泊費、その他コピー代を指します。

実際にかかる費用は、弁護士や事務所により異なるので、相談時に確認してみるといいでしょう。

相続トラブルの事例!

最後に相続トラブルの事例を紹介します。

事例1:兄と2人兄弟の相談者。遺言書の記載に納得がいかない!

父親が生前に同居していた兄から「自分は父の遺言で4,000万円を相続として受け取ることが決まっている。お前には渡すものはない」と言われたケースです。
この件における弁護士の見解は、
「遺言者が自筆していないため、パソコンで作成した箇所が一部でもあれば遺言書は無効」
「遺言があっても相続人すべてに最低限の取り分があるから無効」
という内容でした。

結果的に遺言は有効だと判断されましたが、法定相続分の半分である1,000万円を、遺留分として取得することになりました。
ここでかかった弁護士費用は、以下のとおりです。

  • 着手金:40万円
  • 成功報酬:80万円
  • その他経費:10万円

事例2:生前の父から兄弟に事業の借り入れがあったケース

被相続人である父親が亡くなった後、弟が事業上の借り入れ2400万円の返済を肩代わりしてもらっていたケースです。ちなみに、父親の遺産は合計で6,000万円です。

弁護士を通して「遺産分割調停」を申し立て話し合いを行った結果、相談者の主張が認められ、1/3の遺産を取得できるという結果におさまりました。
ここでかかった弁護士費用は、以下のとおりです。

  • 着手金:60万円
  • 成功報酬:140万円

まとめ

大きなお金が絡むと、普段争いのない家庭でも揉めることが多々あります。
相続トラブルにおいて、弁護士の存在は大きな助けとなるでしょう。
相続トラブルに発展しそうな場合や、話し合いがもつれそうだと感じている場合は、弁護士への相談を視野に入れてみてくださいね。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

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