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遺産を隠したら処罰の対象になるの?

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更新日:2024年01月29日
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相続におけるトラブルとしてよくあるのが、被相続人の遺産隠しです。被相続人の財産を隠してしまうと、トラブル発生になる可能性が十分あります。
遺産隠し以外にも、相続税の申告時に財産を隠して申告するという行為も、トラブルの引き金のひとつでしょう。
本記事では、相続における遺産隠しは罰則の対象になるかどうか解説します。

共同相続人が遺産隠しをしている?おすすめの調査方法

相続の際は、自分は遺産隠しをしていないとしても、共同相続人が隠しているケースも考えられます。
共同相続人が遺産隠しをしているかどうか、以下の方法で調査してみましょう。

本人に直接聞いてみる

もっとも手っ取り早い方法が、本人に直接聞くことです。

もし隠している遺産があれば、隠し場所や種類を聞き出せる可能性があるでしょう。

口を閉ざしたり話を逸らすそぶりがあれば、遺産を隠している可能性は否定できません。

口座の取引履歴を取り寄せてみる

口座の取引履歴を調査するのも手段のひとつ。

口座から調査する方法としては、ご自身で預貯金等の取引履歴を取り寄せたり、銀行に問い合わせる必要があります。

取引履歴を取り寄せることで、不要な出金や解約がないかを確認できます。

ここで、まとまった出金履歴や不自然な解約があった場合には、遺産隠しをしている可能性が高まるでしょう。

株式や投資信託などの有価証券を確認してみる

被相続人が、生前に株式や投資信託などの有価証券を持っていた場合は、証券会社の協力を得て調査します。

ここでも、共同相続人による不自然な動きが確認できれば、改めて遺産隠しが発覚することもあるでしょう。

弁護士に調査を一任する

弁護士に一任することで、遺産隠しにおける調査結果が得られます。

遺産調査は、時間と労力がかかるものです。素人ならなおさらでしょう。
こうした調査は、相続トラブルに強い弁護士に任せられることも知っておきましょう。

共同相続人が遺産隠しをしていた!これって違法?

共同相続人が遺産を隠していることが発覚した場合「なんて勝手な!」「違法行為なのでは!?」と思うかもしれません。

結論からいうと、遺産隠しは必ずしも違法とは言い切れません。

ではどうするべきかというと、被相続人の遺産がどれくらいあるのか、ご自身で改めてしっかりと調査する必要があるということです。

調査方法としては、金融機関や市区町村役場に出向き照会をかけてもらいます。
こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、以下のことを意識しておくことが重要です。

  • 被相続人が生前利用していた金融機関を確認する
  • 市区町村役場の名寄せ帳をチェックする

ご自身が困らないためにも、上記を確認しておくことをおすすめします。

共同相続人がすでに遺産を使ってしまった!どうすればいい?

相続トラブルの中には、共同相続人がすでに非相続人の財産を勝手に使ってしまったという場合もあるでしょう。

このような場合は、違法となるのでしょうか?
結論、基本的に刑事罰に問うのは難しいでしょう。
仮に警察に相談しても、身内のトラブルに警察が介入することはほとんどありません。

刑法では、親族相盗例として「配偶者、直系血族または同居の親族の間で起きた窃盗の罪は刑が免除される」という規定があります。

つまり、共同相続人が遺産を使ってしまったとしても、警察が捜査を進めるのは非常に困難です。

とはいえ、自分の知らないところで勝手に使われてしまった財産を諦める必要はありません。
どうしても諦めきれない場合は、民事上における不当利得返還請求や慰謝料請求といった方法で、解決を図る方法があります。

遺産隠しは処罰の対象になる可能性が極めて低い

ここまでの流れをみても、遺産隠しを理由とする罰則規定は特にないということが分かりました。

仮に民事上で解決を図るにしても、法に基づいた証拠がないことには慰謝料請求が認められにくいと考えられます。

従って、相続人同士の間でトラブルへと発展したとしても、当事者自身で解決を講じる以外の選択肢がないということです。

しかし、ここで唯一サポートしてくれる存在がいます。それは、弁護士です。

相続人同士での話し合いは、延長線にもつれこむ可能性が十分にあります。専門家に相談をすることで、解決に向けたアドバイスをもらえるでしょう。

相続に関して税務署の調査対象になってしまった!どうなるの?

遺産隠しは違法ではないものの、税務署に対して遺産を隠す行為は非常に危険です。

相続税の申告時に遺産隠しが発覚した場合は、税務署の調査が確実に行われるといっていいでしょう。

税務署は、私たちが思っている以上に鋭い目を光らせています。

調査方法も特徴的で、金融機関に対する預金残高や取引履歴の提出、証券会社に対する保有株式の照会も行えます。

もっというと、相続人の配偶者やその子どもを調査対象とすることは珍しくありません。

特に、高額財産を隠した場合は、今後も調査対象とされてしまう可能性があるでしょう。

所得税でも税務調査の対象になり得ますが、相続税に関しては特に税務調査が入りやすい傾向があります。

税務署が相続税を重点的に調べるのは「相続税が高額であること」「一度きりしかかからない税金になるから」という理由があります。

ただ、税務調査を受けることは決して悪いことではありません。相続に関する説明を明確に提示できれば、咎められることはないといえます。

税務署に遺産隠しがバレてしまった!どうなるの?

ここで、税務署に遺産隠しがバレてしまった場合は、税金の加算がされる可能性があります。

どれくらい加算されるかというと、通常の相続税に5〜10%程度上乗せされることになるでしょう。

このほかにも、遺産隠しが故意に行われたと判断されると、通常の加算額よりももっと多い30%以上徴収される可能性があります。これを「重加算税」といいます。

さらに、やり方が悪質だと判断されれば、刑事罰に処される可能性も出てくるでしょう。

ここまで見ると、遺産隠しの代償は非常に大きいと言えます。

不利な状況に陥る前に、日頃から共同相続人同士で相続に関する話し合いを設けるのが懸命でしょう。

相続開始後であっても、相続の対策は可能です。後のトラブルに発展しないためにも、専門家に相談をするようにしましょう。

遺産隠しが発覚した!どうやって解決すればいい?

さて、遺産隠しが発覚した場合はどのように解決するのが懸命なのか解説します。

他の相続人が遺産を多めに受け取る

相続に関する話し合いとして、遺産分割協議があります。
この話し合いの中で遺産隠しが見つかった場合は、他の相続人が遺産を多めに受け取るという解決方法があります。

ここで注意したいのは、遺産隠しをしている本人が素直に白状することはないという点です。あくまで、発覚した場合の解決策としてみておきましょう。

調停による解決

遺産隠しを解決する方法として、遺産分割調停で話し合うのも有効です。

当事者同士で話し合いができないときは、第三者が介入することで解決に進むことがあります。

裁判で説得する

裁判で説得する方法も考えられます。

すでに遺産隠しが認められていて、なおかつ調停で遺産隠しを認めるように説得しても、本人が白状しない限り解決は図れません。

最終手段として、裁判を起こす方法が残されています。

相続トラブルは弁護士のサポートを受けるのも一つの手

遺産隠しは、内容が複雑で当事者同士では解決を図りにくいトラブルといえます。
そうした場合は、弁護士に相談するのも方法です。
ただ、弁護士に相談するとなるとある程度の費用が必要となってしまいます。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

全国の弁護士を見つけるには、以下をご活用ください。

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