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相続税の分割払いは可能?一括で支払えない場合の対応方法

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更新日:2024年01月29日
相続税の分割払いは可能?一括で支払えない場合の対応方法のアイキャッチ

相続税が高額で、まとめて支払えないという場合はどうすればいいのでしょうか。

基本的に、相続税は一括で支払わなければなりません。
しかし、相続税を一括で支払えない場合もあるでしょう。そのようなとき、相続税を分割払いや物によって納めることが認められています。

本記事では、相続税を一括で支払えないときに認められている対応方法を解説します。

相続税は分割払いが可能

相続税を現金一括で支払えないとき、分割払いが認められています。
これを「延納」といいます。

相続税の延納とは、決まった金額を毎年納税する制度です。
分割できる期間は、最大で20年間。贈与税については5年以内と決まっていますが、一時的な課税負担を減らせるため、経済的余裕のない方の助けとなるでしょう。

延納制度を利用するには、次の条件をすべて満たさなければなりません。

  • 相続税額が10万円以上
  • 現金での納付が困難である明確な理由がある
  • 延納税額や利子税額に見合った担保を用意すること

ご覧のとおり、分割払いにすることで利子が発生します。
こうしたことを考慮しておくといいでしょう。

相続税の延納期間や担保とは

相続税の延納期間は、5年〜20年です。
相続財産の種類によって、期間が決まります。

ただ、期間が長いと利子税が多くなってしまうので注意してください。

担保の提供については、延納額が100万円を超えた場合のみ必要になります。

ただ、担保として認められない財産もあるので、専門家に相談して進めるといいかもしれません。

金銭による納税が困難!物納という制度もある

どうしても相続税を金銭で支払えないという場合もあるでしょう。
金銭以外の財産を納めることで納税をする方法があります。これを「物納」
といいます。

物納が認められる条件は、以下のとおりです。

  • 金銭での納付が困難な明確な理由がある
  • 相続税の支払い期限までに物納申請書と関係書類を提出する

物納として認められる財産は、日本国内のものに限られています。
物納に指定される優先順位もあるので、よく理解しておきましょう。

  • 第1位:国債・地方債・不動産・船舶
  • 第2位:株式・社債・証券
  • 第3位:価値のある動産

上記が優先される財産です。
ただし、他の誰かと共有財産になっている場合は物納の対象として認められないので注意しましょう。

相続税の延納・物納は後から変更できる?

延納・物納の支払い方法を後から切り替えたい場合は、変更が可能です。
その際は、税務署に許可をとりましょう。

どちらの納付方法がご自身に適しているか、慎重に検討して進めることをおすすめします。

相続税の延納・物納はいつまでに申請すればいい?

延納や物納という納付方法を選んだ場合、相続が開始してから10ヶ月以内に申請するようにしましょう。

ただ、事情によって10ヶ月以内に提出できないこともあります。
その場合は、申請の延長を申し出るようにしてください。1回の申し出で3ヶ月の延長が認められており、複数回申し出ることで最大6ヶ月間の延長ができます。

申請書を提出後、税務署にて審査があります。審査結果は延納申請期限から3か月以内に行われます。

相続人が複数いる場合はどうなる?

相続人が複数いる場合は、連帯納付義務が発生します。
連帯納付義務とは、誰かが納税を怠ったときに、連帯責任として代わりに納付義務を負う制度です。

相続人の誰かが延納・物納の申請をせず、税務署からの注意にも応じなかった場合、他の相続人が代わりに納税しなければなりません。

相続人が何名かいる場合は、税金を支払える状況なのかを確認しておきましょう。
連帯納付義務は、遺言書によって遺贈を受けた方も含まれるので注意してください。

連帯納付義務があると延納・物納を選べない

連帯納付義務がある相続税は、延納・物納という制度が認められません。
相続人は、現金一括で納付をする必要があります。

相続人の誰かが支払いを延滞してしまうと、しっかり相続税を納めた人に対してもペナルティが課されるリスクがあります。

このようなリスクを負わないよう、相続人同士でしっかり話し合っておきましょう。

まとめ:相続税の支払いが不安なら弁護士へ相談してみよう

相続税を納税する際は、支払い期限や納税方法を知っておく必要があります。
連帯納付義務がある相続税に関しては、相続に詳しい弁護士のサポートを受けるのもおすすめです。

弁護士に相談することで、相続税をスムーズに行うためのアドバイスがもらえます。納税トラブルの回避に役立つでしょう。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

全国の弁護士を見つけるには、以下をご活用ください。

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