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【弁護士監修】残された家族に少しでも多くの財産を残したい!計画的な相続税の節税対策とは?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2023年07月03日
残された家族に少しでも多くの財産を残したい!計画的な相続税の節税対策とは?のアイキャッチ

Q 一生かかって手にしたマイホーム、苦労して維持してきた祖先からの土地など。これをそのままの形で次代に受け継がせたいと願いたいのですが、どのような節税対策をすればいいですか

A 残された配偶者の今後の生活や、子や孫の将来を考えると、少しでも多くの財産を遺してあげたい、と考えるのは自然なことではないでしょうか。

しかしながら,一定額以上の遺産があると、相続税が課されます。そうなると、税金を支払うための準備も必要になってきます。相続税の仕組みから考えると、世代交代があるたびに相続税分だけの手持ち資産が目減りしてしまうことも考えられます。

相続税を課税する理由の一つに「富の再分配を図る」というものがあります。一部の人々に集中した財産が、なんら課税されることもなく次の世代へ承継されるとすれば、国民の間の資産格差、経済的格差は広がる一方です。

そういった意味では、相続税も、税制度の持つ本質的な役割を果たしています。ところが、そのような理由については理解ができたとしても、いざ自分のこととなると、支払う税金は少しでも減らしたいと思ってしまうのではないでしょうか。そこで、節税について考えてみることにします。

相続対策の三原則

①トラブルの回避

何よりもスムーズな相続対策として、相続をめぐるトラブルの回避があります。

現在の相続制度はいうまでもなく均分相続で、子ども同士であれば、長男でも次男でも長女でも、すべてに同等の割合を相続することが認められています。このため、互いに権利を主張しあう相続争いは、枚挙にいとまがないほどです。たとえば、被相続人に子が無い場合には、配偶者と両親、若しくは兄弟姉妹の間でトラブルになったり、被相続人に離婚歴があれば、先妻の子どもと後妻の子どもとの間でトラブルになったりするなど、相続制度を基因とした紛争もよく見かけるところです。

したがって、現実の相続を想定し、そのときスムーズな遺産分割ができるように準備しておくか、を考えることが最も大切な相続対策であるといえます。

②節税対策

つぎに、出来る限り相続税の負担を少なくすること、いわゆる節税対策です。しかし、一定額以上の資産がある場合は、いかに節税対策を実行しても、相続税をゼロにすることは不可能です。

③納税資金の準備

そこで、節税対策を講じながら、同時に納税資金を準備していくことも必要です。実際に相続が発生した際、相続税を支払うための現金を準備するために、不動産などの資産を処分しないで納税ができるように準備しておきたいところです。

以上の考え方から、円満な相続、節税、資金調達、という三つを実現させることが理想的な相続対策といえます。

節税対策の考え方

さて、これらの対策の中で、ご相談が特に多く、関心が高いのが節税対策です。一概に、相続税を少なくする、といってもいろいろな方法があります。

①生前贈与を確実に実行する

まずは、相続財産の絶対量を減らしてしまうことが、もっとも基本的な対策となるでしょう。

具体的な方法として挙げられるのは、生前贈与を確実に実行していくことです。ただし、それに伴う贈与税の負担を考えると、単純な贈与の繰り返しではどうしても限界があります。

生前贈与:節税対策、争いを回避する

そこで、税制の特例や課税の仕組みを活用して贈与方法に工夫する必要がでてきます。
たとえば、贈与税には配偶者控除という特例がありますし、子が住宅を取得するときには、親が資金贈与をすると住宅取得資金の贈与の特例が受けられるなどです。

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②財産は不動産で持つ

節税対策の二つ目の考え方は、相続財産の評価額に着目するものです。財産は現金で持つより不動産に換えることが得と言われているのは、不動産の「評価額」と「時価」との違いがあるからで、このような見方は、当然対策の中に取り込むとよいでしょう。

土地の活用手法として、等価交換や土地信託などがあり、相続対策としても有効だと言われるのは、財産の変換による評価額の圧縮を狙ったものです。

不動産を利用した相続対策とは?

③債務控除を利用する。

債務は「時価」で控除されるという債務控除の活用です。借入金でアパートを建築するというのがこのことです。
ただし、債務の活用では、借入金の返済ができるかどうかが問題です。相続税が少なくなっても、返済に苦しむのでは本末転倒です。つまり、実行に際しては、周到な準備と計画性がなければなりません。

債務や葬儀費用は相続財産から差し引ける?注意点は?

相続に強い弁護士

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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