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【弁護士監修】生命保険加入者が亡くなった場合の手続きと遺産相続との関係は?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2019年04月15日
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Q:被相続人生命保険に加入していた場合はどうすればいいですか?
A:死亡保険金は比較的早く受け取れますので、きちんと請求しましょう。家族は普段から加入している生命保険会社の連絡先、保険の内容などを把握しておくことが大切です。

保険金を受け取るために必要な手続き

親や配偶者が死亡すると何かと物入りになるので手元にお金が必要です。こうしたときに役立つのが生命保険の死亡保険金です。

死亡保険金以外にも、契約している内容によっては複数の保険金、給付金などを受け取れることがありますので確認してみるとよいでしょう。被相続人が入院していたり、手術したりしていた場合に支払われる、入院給付金などがその一例ですので、死亡保険金と一緒に請求して受け取っておくとよいでしょう。手続き自体はそれほど難しくありませんが、請求できるのは、原則、保険契約者もしくは保険金の受取人です。

被相続人が加入していた生命保険があるのか、加入していた場合はどのような内容なのかを把握するには、被相続人の遺物の中から、生命保険に加入していることを示す「保険証券」や「契約のしおり・約款」といった各種の書類を見つけ出す必要があります。家族は普段から加入している生命保険会社の連絡先、担当者、保険の内容などを把握しておくことが大切です。

契約者の住所などを変更した場合には、必ず生命保険会社に連絡しておきましょう。生命保険会社からの手続きに関するお知らせなど、重要な案内が届かない恐れがあるからです。
死亡保険金などを受け取るには、保険証券のほか、被相続人が死亡したことを示す死亡診断書や保険金受取人の印鑑証明書などさまざまな書類が必要になります。

保険金は、早い会社であれば、書類が保険会社に届いてから5日以内には支払われることもあるので、早めに請求する方がよいでしょう。

ただし、次のような場合には保険金や給付金が受け取れない場合があります。

まず、告知した内容が事実と違っていて、契約(特約)が解除されたとき。例えば、気管支ぜんそくで年に数回の発作があり通院していたが、それを告知せずに加入し、加入1年後に気管支ぜんそくの発作を原因として死亡したケースなどです。

保険料の払い込みがなく契約が失効していた時や、契約した保険の責任開始期から一定期間内に被保険者が自殺したときも支払われないことがありますのでご注意ください。

死亡保険金は遺産分割の対象にならない

生命保険は、被保険者が死亡した場合に,予め定められていた受取人に対して死亡保険金が支払われることになります。保険金は、生命保険契約に基づいて支払われるため、受取人の固有の財産となり、原則として遺産にはならず、遺産分割協議の対象となる財産にはなりません。したがって、受取人が相続放棄をした場合でも、死亡保険金は受け取ることができます。

ただし、被相続人自身が受取人になっている場合は、死亡保険金は相続財産となるため遺産分割の対象になり、相続人が相続放棄すると保険金を受け取ることはできません。

ところが、相続人の中には、死亡保険金についても必ず遺産分割の対象になると誤解している人がかなりいますので注意が必要です。葬儀費用を死亡保険金の中から支払った場合は、受取人である相続人と他の相続人の間できちんと精算しましょう。

また、死亡保険金は、相続税の計算上では相続財産に含まれます。これを「みなし相続財産」と言います。実際には「500万円×法定相続人の数」の金額は非課税となりますが、それを超える死亡保険金を受け取れば、その上回る分が課税されます。

法定相続人:財産を相続できる人、できない人

一方で、被保険者ではなく保険契約者が死亡したらどうすればいいでしょうか。例えば、母親が被保険者で契約者が父親だった場合に、被保険者でなく契約者である父親が亡くなるようなケースです。

この場合、この保険契約には経済的価値があるので、相続財産に含まれますし、遺産分割の対象にもなりますので、ご注意下さい。
財産の価値は、契約者が死亡したときの解約返戻金相当額です。

生命保険と言っても、今は様々な商品が出ているようです。きちんと保険の内容を確認しておき、不明な点は保険会社に確認したりしておく方がいいでしょう。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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