遺産相続専門の弁護士検索・法律相談ポータルサイト

遺産相続の相談件数 6097

遺産相続に強い弁護士 207

【弁護士監修】​離婚して別れた妻の子供でも相続​権はあるのか?

この記事を監修しています
古閑 孝の画像

弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

9020 Views
更新日:2019年04月15日
​離婚して別れた妻の子供でも相続​権はあるのか?のアイキャッチ

離婚した元妻・夫との間に子供がいる場合は、相続に関係してきます。
遺産相続は離婚した子供にも関係してくるのです。
わからない場合や、トラブルになっている方は早めに弁護士への相談をオススメします。

離婚と相続で生じる問題

民法890条は、「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。」と規定しています。夫婦が共同生活を営む中で形成してきた財産は夫婦共有の財産となる、との観点から規定されています。
もっとも、離婚した元夫婦については、お互いの配偶者ではありません。
しかし、夫婦の間に生まれた子供については話が異なります。
民法887条1項については、「被相続人の子は、相続人となる。」と規定しています。離婚して妻が連れて行った子であっても、親子であることには変わりはないからです。
この規定が存在する以上、場合によっては、一度もあったことがない子供にも相続が発生する場合があります。これも結局のところ、親子関係にあることから導かれる結論です。
但し、妻の連れ子については話が異なります。
連れ子とは養子縁組をしない限りは親子関係ではないので相続は発生しない、ということになります。これは例え、親が再婚しようと、連れ子と同居しようと変わることはありません。

遺言での対応の限界

離婚した結果、妻が連れて行った子供に、自分の財産を相続してほしくない、そういう思いを持つことは十分にあり得ることです。特に再婚し、再婚相手との間に子供がいるような場合、その子供の取り分が減ってしまうのですから尚更でしょう。

そういった場合、遺言で、再婚相手との間の子供にだけ、自分の財産を相続させる旨、明記することが考えられます。
もっとも、この方法によっても、民法1041条以下で規定されている、遺留分についての請求権を行使されると法定相続分(900条)の半分については妨げることができません。
遺留分の放棄、ということも家庭裁判所で行うことはできますが、これはあくまで離婚して妻が連れて行った子供の自由意思によることになるので、中々放棄してもらうのは難しいでしょう(極端な話、みすみす財産を手にする権利を逃す人はそんなに多くはありません。)。

結論

離婚して、妻が連れて行った子供について、その相続の権利を完全になくすことは困難と言わざるを得ません。
最も、仮に相続してほしい人がいるのであれば、遺言書作成など、それなりの対処をしておくことが必要になります。

困ったら弁護士に相談しましょう

お住いの地域
相談したい内容

この記事の監修者

古閑 孝の画像

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

この記事を見た人が見ている記事

遺言に自分の名前の記載がない場合の最低限請求できる権利の画像

2019年05月13日 6395 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

【離婚歴がある場合は特に注意】遺産相続で注意すべきことの画像

2021年06月23日 8443 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

父に内縁の妻の存在が発覚。認知した子も1人。半分の遺産を相続すると主張。どうなるのか?の画像

2019年03月08日 9784 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

【離婚経験者は必見!】アナタは大丈夫?離婚時に考慮されていない相続問題って?の画像

2018年12月29日 4523 views

相続相談弁護士ガイド 編集部

相続で残されたご家族を幸せにする!生前に考慮すべき3つのポイントの画像

2020年11月24日 3764 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

問い合わせの多い遺産分割に強い弁護士

遺産分割に強い弁護士相談

問い合わせの多い遺産分割に強い弁護士

ベンナビ弁護士保険