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【離婚経験者は必見!】アナタは大丈夫?離婚時に考慮されていない相続問題って?

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更新日:2018年12月29日
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2016年、何かと世間を騒がせている不倫スキャンダル。不倫後に離婚する夫婦も少なくありません。毎年20万件以上も発生している離婚の原因として一番多いのが「性格の不一致」となっていますが、離婚時に慰謝料・子供の親権などで揉めるというお話もよく聞きます。

実は、離婚時には離婚することしか争点にならず考慮されていない相続の問題があります。それによってはまた揉めるかもしれないのです。

そこで、離婚と相続での問題と注意点について弁護士に伺ってきました。

離婚した配偶者も相続はもらえるのか?

民法上、配偶者は常に相続人になると規定されていますが、ここでいう配偶者とは、法律上の婚姻関係にある者をいいます。

したがって、離婚をした後は法律上の婚姻関係がなくなりますから、相続人になることはありません。

法律上の婚姻関係にあるか否かが判断基準ですから、たとえ離婚後に関係が修復し、事実上夫婦として共同生活を送っていたような場合であっても、再度籍を入れていなければ相続人にはなりません。

離婚後に自分が親権を持てなかった子は相続人になるのか?

親権を持てなかったとしても、養育費の支払義務や面会交流の権利が認められるなど、親と子の関係が切られるわけではありません。

したがって、離婚後に相手方が親権者となった子も、相続人になります。離婚後に再婚し、新たに子が生まれた場合には、その子も相続人となり、相続分は平等になります。

自分の結婚相手に連れ子がいた場合、その子供は自分の相続人になれるのか?

子供のいる人と結婚し、結婚相手、子供と同居するというケースは珍しくありません。

しかし、単に相手と結婚しただけでは、連れ子との間に法律上の親子関係は成立せず、したがって相続人になることもありません。

相続も含めて、連れ子に実子と同様の法律上の地位、権利を与えたいと希望する場合には、養子縁組をすることが考えられます。

民法上、実子と養子の権利は基本的に同じですから、養子縁組をすれば、連れ子を相続人にすることができます。

遺言を活用した場合、どういったことが出来るのか?

(1)遺言で可能なこと

相続人の範囲や相続分は法律で定められていますが(法定相続分といいます)、遺言により、相続人でない人に財産を譲ったり(遺贈といいます)、法定相続分と異なる割合で相続させたりすることが可能となります。

例えば、籍は入れていないが長年事実上の夫婦として共同生活してきた場合に相手方に財産を取得させたいと考えることがあるでしょう。また、離婚時に相手方が子の親権をとってその後は一切の交流がなく音信不通となり、他方でこちらは再婚して新たに子供ができたため、前の配偶者との間の子には財産を相続させたくないと考えることもあるでしょう(特に、先に再婚相手が亡くなり、再婚相手の財産を相続しているような場合には、再婚相手と関わりのない前の配偶者との間の子には相続させたくないと考えるのが一般的でしょう)。

そのような場合に、遺言を作成すれば、相続人ではない者に財産を取得させたり、再婚相手との間の子に法定相続分以上の財産を取得させたりすることができるのです。

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(2)遺留分に注意が必要

ただし、遺言を作成する上で、遺留分に注意する必要があります。

遺留分とは

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分という権利があります。遺留分は、遺言によっても奪うことのできない、最低限の財産を相続できる権利であると理解してください。

例えば、上の例で、再婚相手との間の子に全ての財産を相続させるという遺言を作成したとすると、前の配偶者との間の遺留分を侵害することになります。

もっとも、遺留分はあくまで権利ですから、遺留分を侵害された者からの権利行使(遺留分減殺請求権といいます)が必要とされており、遺留分を侵害されたことを知ったときから1年以内に遺留分減殺請求権を行使しなければ、時効により権利が消滅します。いいかえれば、1年以内に遺留分減殺請求権が行使されなければ、遺言通りの結果が実現する、ということです。

遺留分を侵害された者が遺留分減殺請求権を行使するかしないかは、遺産の額、それまでの生活状況、人間関係、相続時の経済状況など様々な事情によりますので、一概には言えません。

ただし、上の例でいえば、再婚相手との間の子と前の配偶者との間の子は、兄弟とはいえ面識もなく、肉親としての情が薄いことも少なくないでしょう。そのため、「元々付き合いはないし、今後も付き合うつもりはない。もらえるものさえもらえれば、相続でもめても構わない」ということで、(遺留分が、時間と費用をかけても見合う程度の額である場合には)遺留分減殺請求権を行使される可能性が高いとも考えられます。

このように、「全ての財産を再婚相手との間の子に相続させる」という遺言を作成した場合には、将来的に子の間で遺留分に関する紛争が発生する可能性を完全に排除することはできません。

そこで、子世代に争いの種を残さないように、遺留分減殺請求の行使が高い確率で予想される場合には、あらかじめ遺留分に相当する最低限度の財産を前の配偶者との間の子に相続させ、残る財産を再婚相手との間の子に相続させるという遺言を作成するということも考えられます。

計算上で遺留分に相当する財産を取得させれば遺留分侵害の問題は発生しないので、たとえば自宅の土地・建物を再婚相手との間の子に相続させ、預貯金や有価証券の一部を遺留分に相当する限度で前の配偶者との間の子に相続させるなどして、再婚相手との間の子が必要とする財産を優先的に取得させるような柔軟な解決が可能になります。

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相続相談弁護士ガイド 編集部

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