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遺産相続は『法律のプロ』弁護士に相談しましょう。相続に必要な手続き、かかる弁護士費用から選び方まで

遺産相続はほとんどの人にとって、一生に数回しかない稀な体験です。
親族を失って悲しんでいる間にも、遺産相続の手続きは始めなければなりません。

遺言を探すことから始まり、難解な法律用語の理解や諸々の手続きに伴う膨大な量の書類作成が必要です。また遺産の分け方について、相続人同士の争いが発生することもあり得ます。

このように自分たちの力だけでは解決できそうもない場合には、専門家の力を借りることも賢い選択肢の一つです。
他の士業である行政書士、司法書士、税理士と比較すると弁護士は遺産相続に関して最も広い範囲をカバーできます。
では弁護士は具体的に何ができ、どの程度の費用が必要なのでしょうか。順を追って説明していきます。

遺産相続について弁護士ができること

資産相続 弁護士

弁護士により相続トラブルを解決できる

遺産相続で最も避けたいのは、遺産分割をめぐる親族である相続人どうしの争いです。しかし「争続」という言葉があるほど、遺産相続を巡って相続人同士が争うケースが予想以上にあります。有効な遺言書があればそれに従った遺産分割が可能ですが、その場合でも「なぜ遺言書にこの割合で書かれているのか」という感情的なトラブルを引き起こす可能性があります。
有効な遺言が無く、法定相続どおりに相続をする場合も、誰が何をどのくらい相続するかを相続人である親族だけで話し合って合意するのは簡単なことではありません。まして法定相続とは異なる分配をする場合は、さらに困難になります。

当事者同士の話し合いでは、互いに感情が先だってしまうからです。
親族間の感情的なトラブルは、自分達だけで解決しようとすると余計にこじれてしまいがちですね。そういう時に弁護士は第三者として親族の間に入り、争いを仲裁することができます。

弁護士のアドバイスによって、相続人全員が法的根拠に基づいた相続分を要求できるので、全員が納得する相続が可能になるのです。
このように弁護士によって相続のトラブルは解決することができます。

法的手続きなどを代行してくれる

遺産相続とは法的書類と提出期限との闘い、と言っても過言ではありません。親族を亡くした悲しみの中でも法的に的確な各種書類を作成して、該当する提出先へ期限内に提出しなければなりません。提出先も自治体法務局税務署と、手続きによって異なります。

遺産相続の手続きは死亡届の提出から始まって、遺言書の確認相続人調査相続財産調査遺産分割相続税の申告が主なものです。これらの手続きのためには膨大な資料の準備が必要になります。

例えば相続人調査では亡くなった方(以下、被相続人)の出生から死亡までの戸籍が必要です。被相続人が本籍地を移転している場合は、移転元の自治体に被相続人の戸籍関係書類を作成し、郵送してもらいます。
また相続人全員の住民票と印鑑証明書も必要です。

こうした細々とした資料の準備に加えて、借金がある場合の相続放棄や遺言がある場合の遺留分減殺請求など、期限がある手続きもあるので注意が必要です。これら一連の手続きを、普通の人が誰にも頼らずに間違いなく行うのは至難の業でしょう。
弁護士は「法律のプロ」です。遺産相続について依頼した瞬間から、面倒な法的手続きを親族に代わって確実に進めてくれます。

わからないことを相談できる

「法律のプロ」である弁護士には、遺産相続にまつわるわからないこと、小さな疑問から、納得がいかない財産分与の割合のように大きな問題までを相談できます。
弁護士は依頼人の話をよく聞いて、その問題に対してはどうするのがベストかを教えてくれるでしょう。
今何をしなければならず、何をしてはいけないか。普通の人にはわからないことも弁護士は的確なアドバイスをくれます。

「わからないこと」には様々なケースが考えられますが、例えば相続財産の情報をある一人の相続人が握ってしまい、全容がわからないという場合。
弁護士は被相続者の資産のうち、固定資産であればその固定資産がある自治体が公表する評価額から算出した相続価値を調べてくれたり、銀行預金類であれば開示請求をして銀行から直接情報を取り寄せて知らせてくれたりします。

また生前贈与を受けている相続人がいる場合は、その金額を先にもらった相続金額とみなして、相続財産を計算することを教えてくれます。
偏った遺言の場合には「法定遺留分」という、各相続人が最低でも得られるはずの金額を算出して、仲裁することができます。

このように弁護士は、生涯で数回しかない遺産相続を前にして戸惑う人の様々な「わからないこと」を相談することができる相手なのです。

法定遺留分に関して、こちらのコラムもよく読まれています。

よくある相談事例

弁護士への相談事例は様々ですが、遺産の分割をどうするかという話し合い、「遺産分割協議」がうまくいかない、という相談がよくあります。
遺産分割協議でもめるのは高額な遺産があるお金持ちだけだ、と思っている方もいるでしょう。しかし平成29年度の裁判所司法統計資料によると、実際に遺産分割協議でトラブルになり家庭裁判所まで持ち込まれて調停となった件数は7520件。そのうち遺産の金額が5000万円以下の場合が5679件と、実に75%を占めます。
つまり遺産相続で揉めるケースは、一般家庭が大半なのです。さらに内容としては土地・建物をめぐって争うケースが最も多くなっています。

統計からは遺産の金額ではなく、遺産の中に不動産が含まれている場合に分割協議がうまくいかないケースが多いことがわかります。それは何故でしょうか。例を見ながら考えます。

例:遺産は3000万円の不動産と600万円の預貯金
相続人:長男、次男、三男の3人の子
この場合、もともとの法定相続分は、3人それぞれが総額の3分の1、1200万円ずつです。
しかし、長男が3000万円の不動産を相続して、次男と三男が300万円ずつ預貯金を相続した場合には、長男の取り分が他の2人よりも2700万円も高くなり不公平です。この不公平を解消するためには、長男が代償金を次男と三男に支払う必要があります。
支払う代償金は(3000万円-1200万円)÷2人分=900万円です。こうすれば長男の取り分は3000万円-1800万円=1200万円、次男と三男の取り分はそれぞれ300万円+900万円=1200万円となって公平になります。
ところが長男がこの代償金の支払できない、という事態になると長男が不動産を相続、取得すること自体が難しくなります。もし不動産が実家であり、長男が親と同居で住んでいる場合には、長男は相続出来ないと住むところがなくなってしまう可能性もあり、大きな問題になります。これでは話し合いがうまくいきません。

そのような事態を避けるためには、遺産分割協議を弁護士に依頼することが重要です。弁護士であればどのような事案でどのように不動産を相続すべきか、相続した場合の代償金の金額や不動産の適切な評価方法などについてアドバイスをくれるので、もめ事が起こりにくくなり、もめ事が起こっていても解決しやすくなります。

参考:裁判所 司法統計
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/057/010057.pdf

遺産相続を相談した時の弁護士費用と相場

遺産相続 弁護士 費用

遺産相続を弁護士に相談したい。そう思った場合に気になるのは費用ですね。遺産相続に関わる弁護士費用の内訳をみると、法律相談料、着手金、報酬金、日当、手数料、実費が基本です。
このうち、遺産相続に関わる主な弁護士費用は着手金と報酬です。

弁護士に依頼するということは、分割協議がうまく行っていないケースがほとんどです。
その場合の着手金は20万円からが相場です。
報酬金は一律ではなく「得られた経済的利益の〇%」と結果が反映されることが多いですが、抱えているトラブルによって弁護士費用は異なります。

また各事務所によっても設定費用が異なるので、最初に相談の予約をする時におおよその費用を聞いておくとよいでしょう。

弁護士への無料相談とは?

「遺産相続でもめている。」「何をどうしたらいいのか知りたい。」
こんな時にはまず、弁護士の無料相談を利用しましょう。今では無料相談を行っている弁護士事務所も多くなりました。初回相談料無料や当初30分無料、相談後に依頼をした場合には相談料無料など様々です。

また、経済的に余裕がない人の場合、法テラスの法律相談を利用することも選択肢の一つです。
このように弁護士に相談料を払わずに初期相談をすることは比較的簡単です。弁護士に相続の相談をする際には、無料相談サービスを利用できる弁護士事務所を探してみるのも賢い手ですね。
参考:法テラスhttps://www.houterasu.or.jp/

基本的な弁護士費用の相場

遺産相続に関わる基本的な弁護士費用の相場とはどの位なのでしょうか。遺産分割調停を例にして、弁護士費用の中で最も大きな割合を占める着手金と報酬金の相場をみます。

【遺産分割調停の場合】

被相続人:夫
遺産:不動産、預貯金、山林などを含めて総額1億円
相続人:妻と2人の子供
遺言:なし
状況:遺産の範囲に争いはないが、遺産分割協議がまとまらなかった。
依頼人:妻
結果:妻の依頼を受けて遺産分割の調停申し立てをした。その結果妻は5000万円相当の法定相続分に従った遺産を相続し、妻が納得する結果を得た。

着手金

  金額 件数 割合
1 30万円前後 307 31.1%
2 50万円前後 409 41.1%
3 70万円前後 70 7.1%
4 90万円前後 83 8.4%
5 110万円前後 63 6.4%
6 130万円前後 8 0.8%
7 150万円前後 24 2.4%
8 その他 23 2.3%

報酬金

  金額 件数 割合
1 60万円前後 115 11.7%
2 100万円前後 301 30.7%
3 140万円前後 118 12.00%
4 180万円前後 146 14.9%
5 220万円前後 113 11.5%
6 260万円前後 44 4.5%
7 300万円前後 90 9.2%
8 その他 55 5.6%

この表の金額は2008年に日本弁護士連合会(以下、日弁連)が全国の会員(=弁護士)に対して行ったアンケート結果です。
このように同一のケースでも、着手金、報酬金ともに最低金額と最高金額の間には5倍もの開きがあります。なぜでしょうか。
その理由は個々の弁護士が2つの異なる算定方法を使っている可能性があることです。

以前は弁護士費用について弁護士会が定めた規定がありました。それが2004年に撤廃され、以後弁護士費用は基本的に自由になりました。
そこで今でも以前の弁護士報酬規定(以下、旧報酬規定)を使っている事務所と、新しい弁護士報酬規程を使う弁護士事務所が混在しているのです。

日弁連の旧報酬規程と新しい料金体系とは

では遺産相続に関わる旧報酬規程と新しい料金体系はどのようなものかをご紹介します。

A.【日弁連の旧報酬規定による相続問題の弁護士費用計算表】

1. 法律相談 相談料 30分に5000円から2万5000円の範囲内の金額
2. 訴訟事件 着手金 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合:(経済的利益の)8%

300万円を超え3000万円以下の場合:5%+9万円

3000万円を超え3億円以下の場合:3%+69万円

3億円を超える場合:2%+369万円

※事件の内容により、30%の範囲内で増減額できる

※着手金の最低額は10万円
報酬金 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合:(経済的利益の)16%

300万円を超え3000万円以下の場合:10%+18万円

3000万円を超え3億円以下の場合:6%+138万円

3億円を超える場合:4%+738万円

※事件の内容により、30%の範囲内で増減額できる
3. 調停および示談交渉事件 着手金・報酬金 2. に準じる。ただし、それぞれの額を3分の2に減額できる

※示談交渉から調停、示談交渉または調停から訴訟その他の事件を受任するときの着手金は2. の2分の1

※着手金の最低額は10万円
4. 日当 半日(往復2時間を超え4時間まで) 3万円以上5万円以下
1日(往復4時間を超える場合) 5万円以上10万円以下

さらに『遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。 ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、 その相続分の時価相当額の3分の1の額』という規定もありました。

このうち「分割の対象となる財産の範囲および相続分について争いのない部分」の線引きは難しいので、「どれくらい相続分が増えそうか」「その場合の報酬金はいくらか」という2点を弁護士に確認しておきましょう。

一方で旧報酬規程の計算方法は、相談者にとってわかりにくいということで、新タイプのわかりやすい相続の弁護士費用体系を用いる法律事務所ができてきました。新タイプのポイントは以下2点です。

・着手金は10万円~30万円と固定型。
・報酬金は獲得相続額の10%が相場。

このように弁護士によって費用の算定方法が違うため、実際に依頼をする前には費用の見積もりを出してもらうことが大切です。
参考:(旧)日本弁護士連合会報酬等基準 http://www.miyaben.jp/consultation/pdf/expenses_kijun.pdf

費用の内訳

1. 法律相談料
弁護士に仕事を依頼する前に、相談した際にかかる費用です。

2. 着手金
弁護士に具体的に依頼した場合、当初に支払う費用です。手続きが協議から調停に移行した場合などには、追加で着手金が必要になることもあります。

3. 報酬金
問題が解決した場合に、解決内容に応じて払う費用です。解決したときに回収できた金額に比例して、報酬金も高くなることが普通です。

4. 手数料
手続きに必要になる単発の業務にかかる費用です。たとえば、申立の手数料や書面1通を作成したり、調査をしたりする場合です。

5. 日当
弁護士が遠方に出張したりする場合に発生する費用です。これは交通費とは別に、弁護士が時間を割いたことに対する報酬として支払う必要があります。

6. 実費
実費とは、手続きそのものにかかる費用です。弁護士に依頼せず、自分で手続きした場合にもかかる費用と考えると理解しやすいでしょう。戸籍謄本や除籍謄本などの取得費用、郵便料金や各種の申立ての印紙代、内容証明作成費用、交通費などが実費です。実費は純粋には弁護士費用ではないのですが、弁護士費用に含めて理解されていることが一般的です。

相続問題別の弁護士費用の相場

相続問題は多岐にわたります。各問題にかかる弁護士費用の相場を見る前に、弁護士が取り扱う相続業務には何があるかを確認します。

1. 遺言書の作成業務
弁護士は遺言者の希望を聞いて、遺言書の文案を考えて作成、手続きをします

2.遺言執行
遺言執行者が弁護士の場合、中立の立場なので円滑に相続手続ができます。

3. 遺産分割協議
遺産分割協議が紛糾した場合、代理人が弁護士であれば適切な内容で協議を進められます。

4. 相続放棄
被相続人が債務超過の場合には、相続人は相続放棄をすると債務を相続せずに済みます。手続きは家庭裁判所への申述が必要ですが、弁護士に依頼できます。

5. 遺留分減殺請求
法定相続人には遺留分がありますが、遺留分の請求意思表示が必要な場合があります。これを遺留分減殺請求と言い、これを弁護士に依頼すると確実な手続きをしてもらえます。

このように弁護士が関わる相続業務には、遺言書作成、遺言執行、遺産分割協議、相続放棄、遺留分減殺請求があり、それぞれ異なる相場の弁護士費用がかかります。

遺産分割

遺産分割協議には、着手金と報酬金がかかります。
その金額は遺産の金額やトラブルの内容によって異なりますが、最低着手金を20~30万円としている弁護士が多く見られます。
報酬金はA.日弁連の旧報酬規程が目安となります。

遺留分減殺請求

遺留分とは遺言の内容にかかわらず、相続人が最低限相続できる財産のことです。
この権利が侵害された場合、その事実を知ってから1年以内に「遺留分の減殺請求」をしなければ、遺留分を得られません。
弁護士に依頼する場合の費用は、請求額や獲得額によって着手金と報酬金が変わります。ここでもA,日弁連の旧報酬規定が目安となります。
さらに内容証明郵便作成手数料として3~5万円が必要です。

遺言書作成

遺言書作成の手数料は、だいたい10万円~20万円程度が相場です。ただし、遺産の額や遺言書の複雑さによって手数料の額が上がることはあります。
また、公正証書遺言を作成する場合には、公証人の手数料が実費として必要になります。
公証人の手数料は、遺産の額によって異なりますが、通常は数万円になります。

財産調査

相続財産調査費用の目安は、3万円~30万円程度です。
なぜ、このように費用に幅があるかというと、相続財産調査と一口に言っても、ケース毎に相続財産調査に要する手間暇が異なり、そのために相続財産調査に必要な実費等の額も異なるからです。
財産金額によって決める事務所もあります。

相続放棄

借金などマイナスの財産が多い場合や相続争いをさけたい場合には「相続放棄」が有効です。
この手続きを弁護士に依頼する場合、10万円ほどの手数料(家庭裁判所への申立手数料)が生じます。
なお事前に相続財産や相続人を調べる場合、別途調査費用がかかります。

相続人調査

相続人の調査には戸籍の取り寄せなどの手数料と実費がかかります。
相場は弁護士手数料2万~5万円+事務手数料2万円程度+実費になります。

成年後見

法定後見制度では家庭裁判所によって報酬額が決定されます。
弁護士に法定後見になってもらう場合の報酬額の相場は2万円~6万円程度です。
また、このほかに不動産の売却などが行われれば、その取引金額に見合った報酬が支払われます。

事業承継

事業承継を弁護士に依頼した場合にかかる費用の相場は、会社の総資産額によって異なります。
たとえば後継者に事業継承する場合では、着手金は約50万円からが多く見られます。
報奨金は会社が事業承継によって得る利益によるところが多く、利益が300~3000万円であれば、その10%程度が相場となっています。
一方、会社の総資産額によって弁護士費用が決まる場合もあり、会社の総資産額が300~3000万円の場合、着手金が総資産額の約5%、報奨金が総資産額の約10%というケースが多く見られます。

よくある弁護士費用の例

旧報酬規程を使う事務所が多いので再掲します。

着手金 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合:(経済的利益の)8%

300万円を超え3000万円以下の場合:5%+9万円

3000万円を超え3億円以下の場合:3%+69万円

3億円を超える場合:2%+369万円

※事件の内容により、30%の範囲内で増減額できる

※着手金の最低額は10万円
報酬金 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合:(経済的利益の)16%

300万円を超え3000万円以下の場合:10%+18万円

3000万円を超え3億円以下の場合:6%+138万円

3億円を超える場合:4%+738万円

※事件の内容により、30%の範囲内で増減額できる

『遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。 ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、 その相続分の時価相当額の3分の1の額』

例1. 遺産分割協議の代理人
被相続人が3000万円の遺産を遺して死亡。自分の相続分は2分の1と仮定した場合の交渉費用。財産の範囲や相続分についての争いは無い。
着手金 3000万円 × 1/2 × 1/3 × 5% + 90,000円 = 34万円
報酬金 3000万円 × 1/2 × 1/3 × 10% + 180,000円 = 68万円
合計 1,020,000円

例2. 公正証書遺言の作成
手数料:10万円~20万円
ただし遺産の額や遺言書の複雑さによって上がることもあり。
公証人の手数料:実費。遺産の額によって異なるが、1億で43,000円。

例3. 相続放棄
申立手数料:10万円程度

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相続に強い弁護士の選び方

遺産相続 弁護士 選び方

弁護士は「法律のプロ」であるだけに様々な問題を担当しますが、遺産相続にはやはり相続に強い弁護士を選ぶことが大切です。また弁護士と話しやすいか、事務所の雰囲気はどうか、通いやすいか、などもポイントになります。
そこでまずは相談をしてみましょう。

わからないことをまとめてみる

今の自分が抱えている問題を書き出してみます。自分の状況、手続き、費用、トラブルの内容とその経緯など、小さいことでも「わからない」「困った」ことを書き出します。
次にそれらを「今の状況」「費用」「手続き」「トラブル」など、大きな枠でくくります。こうして「わからないこと」の要点をまとめましょう。
これは相談の準備であると同時に、自分の置かれた状況を冷静に理解することを助けます。

弁護士はこれらの要点がまとまっていれば、的確なアドバイスができます。せっかくの相談時間を無駄にせず、また弁護士が相続問題に詳しいか、自分たちと相性がいいかを見極めるためには、まず「わからないこと」をまとめておきましょう。

弁護士にも専門性があります

一口に弁護士といっても、その専門性は様々です。主に犯罪容疑者の弁護をする弁護士や、企業の利益を守ることを得意とした企業弁護士、さらに離婚問題などを専門に取り扱う離婚弁護士、サラ金などの過払い金の徴収を行うのも弁護士の仕事です。

このように、弁護士だからといって全ての困りごとを解決してくれるわけではありません。弁護士によってそれぞれ得意な分野があり、専門性があるのです。ですからそれぞれの弁護士の専門性を理解してから依頼することが重要です。

例えば企業弁護士に相続問題を相談しても、管轄外として取り扱ってくれない可能性もあります。まずは遺産相続を扱っている弁護士を専門サイトなどから探しましょう。

弁護士のホームページに相続について詳しく書かれているか

インターネットを使って「相続 弁護士 (地域)」と検索すると、様々な事務所や弁護士のホームページがヒットします。なんとなくいいな、と思うところがあったら、まずそのホームページをじっくりと読んでみましょう。
表題に「相続専門の事務所です」と書かれていても、記事内容が貧弱な場合もありますので、そのまま信じるわけにはいきません。ホームページ上に、実際に担当した相続の例や費用の目安、算出根拠など、読む側に親切な情報を開示して、相続について詳しく書いているところは有望です。
それだけ自分達に相続の専門知識の蓄積があり、実績があるということですから、そういうところこそ「相続に強い弁護士」と言えるでしょう。

遺産相続専門のポータルサイトやセンターを活用する

等サイトにも「遺産相続に強い」弁護士から「遺留分」「遺産分割協議」などさらに詳しい相続の内容についても詳しい弁護士を多数掲載しております。
お住まいの地域と相談したい内容とを合わせて、相続について一度無料相談をしてみましょう。

電話での無料相談などを活用してみる

遺産相続に強い弁護士や事務所の中には、電話での無料相談を受け付けているところもあります。また今はほとんどの事務所でメールによる相談も受け付けています。
電話メールでの無料相談などを活用して、自分の問題の整理と解決方法のアドバイスをもらうのも賢い選択と言えるでしょう。

相続について一度弁護士に相談をしてみましょう。

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弁護士に直接会って話をしてみる

いろいろと考え、また検索した結果「この人に」という弁護士が見つかったら、直接会って相談をしてみましょう。先にまとめた「わからないこと」の要点と、これまでの経緯がわかる書類があればそれを持参します。そして弁護士に会ったら一番困っていることを端的に説明し、その経緯を発端から現在まで時系列で述べましょう。
法律相談というのは限られた時間の中で行われます。30分から1時間が1回の設定がほとんどです。そこで、アドバイスがあります。時間をうまく使うためには、弁護士の言葉はなるべく遮らないようにすることです。

制限時間中に自分ばかりが話していたら、弁護士のアドバイスを聞く時間が減ってしまいます。もちろん疑問があれば質問をしても構わないのですが、それは弁護士が話し終えてからまとめてするようにしましょう。
相談中にメモをとる、またはボイスレコーダーで記録することも、弁護士の了解をとってからすれば大丈夫です。1回では理解できなかった法律用語などは、この記録から調べることができます。
最後に、弁護士には嘘をつかず正直に話すようにしましょう。その方がより良い法的な解決に結びつくからです。

遺産相続には期限がありあります

遺産相続 期限

親しい人を亡くした悲しみの中で、遺産相続の手続きなんて考えられない、と思うかもしれません。しかし遺産相続の手続きこそ、全体像をとらえてタイムスケジュールを把握することが大切です。
遺産相続手続きには厳正な期限があるからです。遺産相続の手続きは書類と期限との闘いというのもこのためです。

遺産相続の手続きの節目は7日、3ヶ月、4ヶ月、10ヵ月です。
手続き全体では遺産相続に関係あるもの、ないものがありますが、ここでは相続に関係あるなしに関わらず、親族がしなければならない手続きの主なものから、全体像を把握します。

死亡届の提出から始まり、葬儀費用の清算生命保険の請求遺言書の確認相続人の確認相続財産,債権の確認、さらに公的年金への死亡届とともに遺族年金等の請求健康保険証の返還公共料金等の名義変更金融機関への届け出。
ここまでが初期です。
さらに相続放棄限定承認被相続人の所得税準確定申告
その後、遺産分割に入り、場合によっては遺産分割協議書の作成遺産の名義変更相続税の申告,納付。これで終了です。
以下に遺産相続に関わる手続きでいつ何をしなければならないかを書きます。

相続開始から申告期限までのスケジュール

相続手続きの始まりは被相続人の死亡届の提出で、最後の手続きとなる相続税の申告・納付は死亡から10ヵ月以内が期限です。
その間にも期限がある手続きが複数あります。順を追っていつまでに何をするかを見ます。

7日以内

被相続人が亡くなった時には医師が作成した死亡診断書か死体検案書と一緒に死亡届を役所に提出します。期限は死亡を知った日を含めて7日以内です。届け先は故人の死亡地、本籍地、届出人の所在地のいずれかの市区町村役所になります。
死亡届の提出と同時に、死体埋葬許可証の交付を受けます。この許可証が無ければ火葬も埋葬も出来ません。また埋葬許可証は納骨の際に必要で5年間の保管が義務付けられています。

3ヶ月以内

被相続人の葬儀が終わった頃から、遺言書の確認を行います。
また相続財産と債務を確認します。被相続人の遺産の全容を明らかにして、遺産分割や相続税の計算をするためです。被相続人のプラスとマイナスの財産両方を洗い出して一覧を作成します。特に借入金などマイナスの財産は相続放棄の選択に関わりますので、しっかりと調べましょう。

遺産分割をするには、相続人の確認が必要です。被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を集めて相続人を調査します。相続人が一人でも欠けていた場合は遺産分割協議をしても無効となってしまうので、過去に認知した子供がいたり、養子縁組をしたりしていないかを確認するのです。

さらに相続放棄・限定承認の手続きが必要な場合は、申述期限が3ヶ月以内に定められていますので注意が必要です。相続放棄は家庭裁判所への申述、また限定承認も家庭裁判所への申述と相続人全員の合意が必要で、裁判所にその意思を伝えます。

4ヶ月以内

被相続人の所得税準順確定申告の期限は死亡から4ヶ月以内です。
死亡した年の所得は、相続人全員の連署で申告をします。これを準確定申告と呼びます。内容は亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得の申告です。なお、1月1日から3月15日の間に、前年分の確定申告をしないまま亡くなった場合は、その分も合わせて申告します。申告先は被相続人の納税地(住所地)を所管する税務署です。

準確定申告が必要となるケースは、被相続人が確定申告が必要だった人、例えば自営業者などの場合です。毎年勤務先で年末調整を受けていた会社員の場合は、勤務先で処理をするので申告は不要です。
しかし、医療費控除などの還付を受けたい場合は、申告が必要になります。
準確定申告では申告書と付表を作成し、すべての相続人および包括受遺者が連署しそれぞれの相続分なども記載します。この段階で遺産分割協議ができていない場合、法定相続分の記載でもかまいません。

参考 国税庁:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm

10ヶ月以内

相続税の申告・納付期限は被相続人が死亡してから10ヶ月です。
相続税を算出するためには、まず遺産の分割が必要です。
遺言書があり、そこに遺言執行者が指定されている場合には、すみやかに連絡をして遺言に従った分割を執行してもらいます。

遺言が無い場合には遺産分割の話し合いを早めに行いましょう。複数の相続人がいる場合は、誰が何をどのくらい受け継ぐかを決めるのは、簡単ではないからです。

遺産分割の合意が出来たら、遺産分割協議書を作成します。作成は義務ではありませんが、遺産分割の内容を証明できるだけでなく、以下のような利点があります。

  1. 記録に残すことで、後々のトラブルを防ぐことが可能となる。
  2. 相続人全員が遺産分割の内容を確認する事が可能となる。
  3. 相続税の申告時の際に必要となる。
  4. 預貯金の名義変更や不動産の相続登記に必要となる。

協議書が完成したら財産を取得しなかった相続人も含め、相続人全員が署名・実印で捺印をします。
遺産分割が合意したら、相続人は相続した取得額に応じた相続税の申告をします。申告は被相続者の最後の住所地を所管する税務署に提出します。

次は相続財産の名義変更を行います。不動産の場合は所有権移転の登記です。これは期限が定まっていませんが、相続した不動産の名義変更をせずにしていると、相続人が死亡した場合に権利関係が複雑になり、後々のトラブルの可能性を避けるためにも、すみやかに手続きをしましょう。

もっと詳しい期限に関するコラムはこちらです。

相続問題を弁護士に相談するメリット

遺産相続 弁護士 メリット

遺産相続は、さまざまな法律的知識や手続きに関する知識などが必要な複雑なものです。相続人どうしの話し合いで円満解決できれば良いのですが、往々にして話し合いは容易にまとまりません。
実際に話し合いが揉めて家庭裁判所に持ち込まれたケースは、ほとんどが一般家庭です。

さらに遺産相続手続きはそれぞれ異なった期限があり、それまでに間違えなく必要書類を作り、添付する大量の資料を用意することは簡単ではありません。
そこで、登場するのが弁護士です。「法律のプロ」である弁護士にお願いすれば申告や提出の期限も守り、全員が納得する相続手続きをしてもらえます。これが遺産相続の問題を弁護士に相談する最大のメリットと言えます。

弁護士にしかできない業務があります。

弁護士と司法書士、行政書士、税理士は同じように「士業」と呼ばれています。この中でも弁護士は一番遠い存在のように感じている人がほとんどではないでしょうか。
弁護士は、自分達庶民には縁遠い存在だと漠然と考えていませんか。しかし遺産相続の手続きの中では弁護士にしかできない業務があるのです。またそれ以外にも、弁護士しかできない業務は多いのです。以下で詳しく見ましょう。

交渉や仲裁、調停、審判、訴訟は弁護士へ

弁護士は遺産分割協議や遺産分割調停、遺産分割審判などの具体的なトラブルが起こった場合、代理人として対応してくれます。
このように当事者の代理人としてトラブル解決ができるのは、数ある士業の中でも弁護士のみです。そこで、遺産分割協議で他の相続人と意見が合わずにトラブルになったら弁護士に依頼することが有効です。

遺留分減殺請求も弁護士に頼むと安心です。 郵便によって遺留分減殺請求書を送るだけではなく、その後に遺産の返還方法についての話合いもしてくれます。この点、司法書士に依頼した場合には、内容証明郵便の発送までしかしてくれないため、請求通知を送付した後に起こる相手は自分でしなければなりません。

実は遺留分減殺請求で本当に大変なのは、請求通知を送った後です。遺留分の請求者と侵害者の関係は、感情的にこじれていることが多く、円滑に遺産の返還が行われることは期待しにくいのです。また遺産の返還方法をどのようにして行うべきかについても争いが発生しやすく、調停や訴訟が必要になるケースも多く見られます。

弁護士なら相手とのやり取りをすべて任せられ、法的知識を持って主導権を持って交渉をすすめてくれるので、有利な条件で合意ができる可能性が高くなります。
調停でも調停委員を味方につけやすくなりますし、訴訟になっても弁護士が適切に対応してくれるので安心です。
このように交渉仲裁調停審判訴訟弁護士へ依頼するのが賢い選択です。

弁護士と司法書士、行政書士の違い

相続の専門家でも得意分野が異なります。
遺産相続の専門家は、弁護士・税理士・司法書士・信託銀行・相続診断士・生命保険のファイナンシャルプランナーなど多数いますが、それぞれ得意な分野が異なります。

遺産相続問題は何故弁護士に相談すべきなのか。 それは弁護士は遺産相続で対応出来る業務範囲が広く、裁判や調停にも詳しいため、相続人同士で争わないための方法や、争いになった際の解決策などにも詳しいからです。

下の表をご覧下さい。

  弁護士 税理士 司法書士 ファイナンシャルプランナー
不動産名義変更
(相続登記)
◯ ※別途費用発生 × 〇 ※別途費用発生 ×
遺言書検認 × × ×
相続放棄 × × ×
戸籍などの収集 ×
相続財産の調査 ×
金融機関の
相続手続き
×
各種保険の相続手続き
遺産分割協議書作成 ×
相続税申告 税理士資格を持つ
弁護士なら○
× ×
 

まとめ

弁護士は、かつて一部の人しか縁のない存在でした。ところが平成11年以降の司法改革により、弁護士数は10年で1.7倍まで増加し、弁護士数が最多の東京都では弁護士1人あたりの人口は840人と、コンビニよりも多いと言われています。

このように弁護士が身近になった今、遺産相続で最も強い味方である弁護士に相談するのは賢い選択です。ただし信頼のおける、自分と相性のいい弁護士にお願いしたいですね。そこで以下の点に注意して弁護士を見極めることも必要です。

・遺産相続に関する経験はどうか

・ちゃんと話しを聞いてくれるか

・質問にきちんと答えてくれるか

・他の職種と連携しているか

・依頼者の立場に立って考えてくれているか

遺産相続で迷ったら電話相談

遺産相続はこじれると親族の間に禍根を残します。こういう時こそ専門家の知恵を借りましょう。
まずは電話相談をしてみませんか?無料の電話相談なら気軽に相談ができます。アドバイスで解決の糸口が見えてくることもあります。
無料電話相談でも弁護士は力を抜きません。遺産相続で迷った時には、まず電話相談を利用しましょう。納得のいく遺産相続手続きをすることが、遺産をくれた故人へのお礼にもなるのですから。

困ったら弁護士に相談しましょう

「相続相談弁護士ガイド」では、遺産分割・相続税の生前対策など遺産相続に関わる情報を皆様にわかるような内容でご紹介しております。
遺産相続では、人生に数回しか経験することがなく、ご家族以外にも親族全体が関わるため相続人の皆様で相続財産の遺産分割で揉めてしまう「遺産争族」の問題になってしまいます。

専門的な法律も関わってきますので、しっかりとした手続きや手順を踏んでいかないと時間・費用などが余計に掛かってしまうケースもございます。

遺産相続に詳しい弁護士・税理士・司法書士など士業の皆様や、相続診断士、フィナンシャルプランナーなど各分野に精通した方々にもご執筆頂いてますので、様々な観点の知識を身につけることが出来ます。
あくまで皆様の状況によって最適な方法は異なると思いますので、当サイトに掲載の専門家に是非ご相談してみることをおすすめいたします。

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